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 結果として盗撮した生徒だけでなく、少しでものぞきに加担した生徒、それらの行為を笑って見ていたA君も同罪と扱われ、1学期のおわりに1年生から3年生まで含めた計8人が転学や自主退学を迫られることになった。

「盗撮を実行した生徒など4人は退学したのですが、騒動を見ていただけのA君は納得いかず、2学期のはじめに登校しました。ですが教室には入れてもらえず、A君の言い分は聞き入れられることなく退学となりました」(同前)

スマホは冨士警察署にも提出されたが裸画像は見つからなかった ©文藝春秋

処分された生徒は学校側の対応に不満

 その結果、A君をはじめスマホを上級生に貸した生徒、覗きを試みた生徒、計3名の生徒の保護者は、校長と県を相手に退学取り消しを求める裁判を起こしたのだ。

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「学校としては『被害生徒への配慮を一番に考えての処分だった』と言います。ただ、原告側は学校を通して女子生徒へ何度も謝罪を申し込んだものの、学校側が拒んだことに不満を抱いていました。また、盗撮を行い退学した4人の生徒は既に被害女子生徒と示談を終えていますが、被害者側が『必ずしも退学は望んでいない』と話していたことも引っかかっているようです。

 また、今回の事件では風呂にいた男子部員10人中2人の生徒がそもそも不問となっていました。彼らは『のぞき行為に興味を示さず、その場から立ち去った』というのですが、脱衣所からのぞきをしていた男子部員たちをスマホで撮影しており、動画は証拠として顧問に提出されました。

水泳部が止まっていたホテル内部 読者提供

 教員からは『正義感ゆえの行為』だと説明があったのですが、当該動画は他校生徒を含む複数の友人にも送られており、正義感というよりは仲間内で面白がっていた感じが強い。とすると、のぞき行為を止めず騒動をただ見ていただけの子とどれほどの違いがあるのか。そういったこともあり、処分された生徒からは不公平な学校側の対応に不満があがっていました」(水泳部保護者)