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「実行犯でもない生徒まで退学させられる程の罪なのか」
実際に退学処分の無効を求めた裁判では「(A君は)盗撮の様子を笑って見ていたが、盗撮をしたり、のぞきをしたまでは認められない」「校長の判断は裁量権の範囲を逸脱又は濫用したものであり違法である」とA君の主張が認められた。一方で、Aくん以外の2名に対しては、実際にのぞきを試みたり、盗撮用に部員にスマホを貸したりした事実を踏まえ、退学処分を「適法」とした。
転退学処分を命じられた、8名のなかのある保護者は、記者の取材に肩を落とした。
「盗撮やのぞきをしようとしたのは相手のことを考えると、こちらが絶対に悪いです。ただ、思春期の息子を持つ親としては、『実行犯でもない生徒まで退学させられる程の罪なのか』とは思います。
学校側はこちらの声など最初から聞く耳ももたず、何を言っても『自主退学してください』『お子様のためです』の一点張り。校長は一度も対話に応じてくれなかった。処分された生徒たちはのぞき事件以前には非行や問題行為をおこしたこともありません。A君は大学への入学も決まっていたのにダメになってしまった。退学が取り消されても、出席日数も足りませんし、卒業式もおそらく出席させてもらえないでしょう」
裁判を経て退学処分を取り消されたA君の今後はどうなるのだろうか。2月12日、自宅前で校長を直撃したが「あなたがたに話すことは何もありません」とのことだった。
静岡県教育委員会にも見解を問うと、「判決内容を精査し、(控訴するかも含め)今後の対応を決めていきたい 」と回答した。
水泳ニッポンの父のお膝元で起こった高校生たちの大騒動は、どんな結末を迎えるのだろうか。