ーーやり方を確立すると、パパッとできてしまう。
菅原 やり方を見つけるまでの時間が掛かるけど、掴んだら意外と早いんです。だから、能率の悪いことをやってる人をみるとイライラする。「なぜ、能率のいいやり方を見つけてからやらんのだ」みたいな(笑)。あと、「さっさとやれ」って言われるとすごくカチンときちゃう。「能率のいい方法を考えてるとこなのに、なんですぐやれって言うんだ」とか思ったりしますね。
やり方さえ見つければ、だいたいのことはうまくいくんですね。人間関係とか、やり方を見つけられないジャンルのものもあるけど。
ーー検査を受けてみようと考えたことは。
菅原 子供の頃は、発達障害という概念がなかったから。でも、「爆報!THEフライデー」(2017年10月20日放送)に出て専門の病院で診てもらったら、多動っぽい発達障害だと診断されて。まぁ、大人になって、自分なりのやり方を見つけて苦労してないので、治療の必要はないでしょう、という。
自分でもそうだとわかってたけど、細かく診察してくれたおかげで自身をより客観的に見れたから良かったかな。
大食いにも“数値と効率”は活きているが……
ーー「みんなができることができなくて」抱えていた劣等感は、消えましたか?
菅原 ずっと、ずっと、残ってると思う。私、なにかにつけて自信ないんですよ。女性の大食いで何回も優勝しても、やっぱり自信ないんですよ。自分に力がある、実力は私が一番あるのはわかってるんです。それでも自信がないの。
実力はいまひとつのくせに「自信あります!」みたいなことを言う人が大会にいると、昔は腹を立ててたの。でも、考えてみたら、育ち方が違うから本当にそうなんだろうなって。私にはまったく理解できないけど、実力がないのと自信があるのは、その人たちのなかでは矛楯なくあるんじゃないかな。実力と自信は、きっと別なんですよ。
ーーお話を伺うと、大食いにも活きている“数値と効率”は発達障害があったからこそとも言えますね。
菅原 発達障害があるのとないの、どっちがよかったのかな。わからないですね。自分にできないことを強制されるなかで、何年も過ごすうちに独自のやり方を見つけてきたけど、それは普通の方のやり方とは違うしね。
とりあえず自分なりに対応していくとか、その能力みたいなのは、だんだんついてくるんですけど。でも、どうしたって劣等感は消えないですよね。小さい頃に何年も自分だけできないってのがあると。
写真=佐藤亘/文藝春秋
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