「推しがいいこと言っているから、知ってもらいたい」雑誌の文章のみSNSにアップするのも著作権NG…見落としがちな“推し活”の注意点

購入した雑誌でも違法になる！

　あなたがお金を出して雑誌を買っていても、雑誌に掲載された写真をネットにアップすると、著作権法違反になります。ポイントは「所有権」と「著作権」という2つの異なる権利を意識することです。つまり、あなたが購入したのはその雑誌の所有権だけであり、雑誌の著作権は出版社に残ったままなのです。

　ここで、所有権という権利と著作権という権利を分ける仕組みについて、「法律はなんて複雑なんだ…」と思われるのも当然かと思います。

　ただ、この仕組みは、例えば購入者がその雑誌を大量コピーして、定価より安く売るようなことを規制するために必要なのです。「著作権は出版社に残ったまま」とは、「雑誌をコピーする権利は出版社に残ったまま」ということを意味します。そして、時代の流れとともに、著作権があればコピーの禁止に加えてネットにアップすることも禁止できるようになっていったのです。

著作物の一部分をSNSに投稿した場合は？

　雑誌の表紙はレイアウトに創作性がある場合がほとんどのため、著作物といえます。各ページやその一部分についても創作性があるとして、著作物となる可能性もあります。

　また、もし「推しがめっちゃいいこと言っているから、知ってもらいたい」という思いで雑誌の文章部分のみをSNSに投稿した場合、著作権法に違反してしまうことがあります。文章部分にも創作性が認められ、著作物に当たる可能性が十分にあるからです。

　映像についても、同じことがいえます。購入した円盤のライブ映像をたとえほんの数秒でも、動画共有サイトやSNSに投稿すると著作権法違反になります。自身のスマホでその映像の一部を撮影してアップした場合も同様です。