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最新号以外ならアップしても大丈夫?

 著作権には有効期間があり、その有効期間は「物(もの)」によって異なります。例えば、雑誌のように出版社に著作権がある場合、原則的に公表後70年間権利は有効です。そのため、最新号でも数年前に発行された号でも、公表から70年間はネットにアップしてはいけません。

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 タレント本人など個人が著作権をもっている場合においては、その人が亡くなってから原則として70年間は、著作権が有効です。「過去号だから雑誌の売行きに関係ないし、SNSに投稿しても問題ない」とはならないのです。

推しの「顔」に「著作権」は発生する?

 タレントの顔や身体自体は著作物に当たりません。いろいろな考え方がありますが、顔や身体に対し芸能人と一般人で権利に差をつけることは、法の下の平等に反してしまうのです。

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 ただ、商品が売れるかどうかを基準にすると、写っている人が芸能人だからこそ「物(もの)」が売れるのも事実です。そこで、このような有名人の「顧客誘引力」を保護しているのが、パブリシティ権(肖像権)という権利です。

 例えば、コンサート会場付近やネット上で、勝手に撮影したアイドルの写真を販売する業者を目にしたことはありませんか。この業者がアイドルのパブリシティ権を侵害しているのは明らかで、そのアイドルが所属する芸能事務所は、業者に対し損害賠償の請求ができます。路上販売であれば、警察は通行妨害を理由に、道路交通法違反として取り締まることも可能です。

 もしもあなたが「アンオフィや闇写と呼ばれる非公式写真の方が、写りもいいし安いから買いたい」と思っても、購入は控えていただくのがよいと思います。不正転売チケットと同様、本来利益が行きわたるべきところに行かなくなってしまいます。

 事務所の売上につながり経営が安定すれば、タレントに利益を還元している芸能事務所であれば、推しの福利厚生や生活も安定することになります。

 このような違法業者が即逮捕されることは難しくても、違法行為を肯定したり放置したりするべきではないのです。