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 僕自身、「ポジティブだね」って言われたりするんですけど、全然そんなことはなくて、ネガティブなところがある自分も自分だって受け止めているだけ。自己肯定感の低い自分も、肯定するようにしています。

「はい。私、米本さんのこと好きです」

 デビューして9年、俳優としてお仕事をもらったり、こうしてインタビューしてもらったりするのは「あなたがいい」をもらうことだと思っています。自己肯定感が低いという僕の背骨は変わらないけれど、役をもらって、多くの人に作品を見てもらうことで、少しずつ気持ちが楽になっている気がします。

 子どもの頃から求めていた居心地の良さというのを、今手に入れつつあるのかもしれません。

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米本さん ©文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

 2020年末に結婚したことも大きな転機になりました。妻との出会いは、これも不思議な縁で。仕事で日本に帰国している時にFacebookを通じて意気投合した方が経営する壁画アートの会社に遊びに行ったのですが、妻はそこの社員でいろいろと案内してくれて。その日の食事の席で、社長が妻に「ヨネちゃんのこと、気に入ったんじゃない?」と言ったら、「はい。私、米本さんのこと好きです」と。間髪入れずに「僕も好きです」と伝えました。

出会って2ヶ月、交際0日で結婚

 彼女は東大哲学科の修士課程を卒業後、コンサルの仕事を10年したのちに、今の会社でアートに携わるというちょっと変わった経歴の持ち主。そして、僕が投げかける言葉に対して、いつもびっくりするような返事をくれる楽しい人です。

米本夫妻(事務所提供)

 出会ってその日にお互いに好きという気持ちを伝えたものの、僕たちは付き合うという形をとっていませんでした。というのも、僕は当時まだアメリカに拠点があったし、コロナのこともあり、今後の仕事がどうなるかわからない状態だったから。

 でも、出会って1ヶ月半ほど経ったある夜、僕は彼女に対して自分がこんな人間で、この先も変わらないだろうということ、この先しばらく仕事がないかもしれないことなどを滔々と語って、自分を曝け出しました。彼女はそんな僕の言葉に、一つ一つ、「大丈夫だよ、気にしなくていいよ」と言ってくれた。そしてもう彼女に隠すことが何もなくなった時、「じゃあこんな流れだけど結婚する?」って言ったら、「うんしよう」と。そうして出会って2ヶ月、交際0日で結婚しました。

 結婚して、1年ちょっと経ちますが、お互いがどんどん自分らしくなっているような気がします。二人とも飾らず、そのままを受け止めあっているというか。