これまで筆者は2014年衆院選の前に、京都府連で作成された「買収リスト」の存在を報じてきた(写真参照)。衆院選挙区内の地方議員がリスト化されており、候補者が配るべき金額が「〇〇人×50万=〇〇〇万円」などと記述されている極秘文書である。
「50万円は新札で用意するのが慣例だった」
この買収リストに名前があがった衆院選候補者6人のうち宮崎謙介氏、安藤裕氏、そして上中氏が、筆者の取材に対し、配布の事実を認め、「選挙の金」と答えている。一方、複数の地方議員からも「選挙の金として受け取った」との証言を得ている。
京都府連会長の西田氏や二之湯氏の「党勢拡大」との説明は、もはや詭弁というほかないだろう。
『文藝春秋』で選挙買収の実態を告発した、京都府連の元職員である上条和夫氏(仮名)が改めて語る。
「引継書が作成された2014年以降も選挙買収は継続していました。選挙前になると、毎度のように府連事務所では現金の用意が慌ただしく行われる。一度、地方議員に配るための50万円が新札でなかったため、クレームがきたことがありました。その後、選挙の縁起担ぎの意味合いも込めて、50万円はすべて新札で用意することが慣例となった。京都府連が組織ぐるみで選挙買収を行っていたことは、スキームを作成した西田会長がいちばん理解しているはずです」
この選挙買収疑惑について司法はどう判断するのか。告発の行方が注目される。
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2月10日発売の月刊「文藝春秋」3月号、および「文藝春秋 電子版」では、この選挙買収問題を詳報している。金を受け取った候補者や地方議員の証言に加え、議員名と金額が記された「選挙買収リスト」などの内部文書を公開。さらには、京都府連会長であり、この選挙買収のスキームを作ったとされる西田参院議員の疑惑についても報じている。
自民党「爆弾男」を告発する
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