一連の伝統儀式もせず、一時金をも辞退してご結婚に突き進んだ秋篠宮家の長女・眞子さんと小室圭さん。しかし宮内庁は当時、アメリカでの就職先が決まらない小室さんの「生活力」に懸念を示していた──。

 月刊文藝春秋の論考を集めた『秋篠宮家と小室家』(文春新書)では、識者たちがさまざまな角度からこの度の眞子さんのご結婚を読み解いている。ここでは同書から一部を抜粋し、ジャーナリスト・友納尚子氏の論考を紹介する。(全3回の2回目/3回目を読む)

小室圭さん ©JMPA

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小室さんの就活は苦戦続き

 3年余り凍結されていた「ご結婚」の話が再び前に動き出したのは、いまから約7カ月前の2021年はじめ、一連の正月行事が済んだ頃といわれる。

 その1年ほど前の2020年初め頃から、眞子さまは秘かに宮内庁関係者に面会し、ご結婚に対する変わらぬ意志を伝え、結婚について前に進めるよう自ら強く働きかけていた。

 当時は、秋篠宮ご夫妻がそろって強く反対の意向を示されていたので、宮内庁は具体的に動き出さなかったが、同年11月の秋篠宮殿下の誕生日会見で「結婚することを認めるということです」というお言葉が発せられたのを機に動きだし、2021年初めころには、年内のご結婚の方針がほぼ内定していた。

 決定ではなく「内定」だったのは、宮内庁が小室さんの「生活力」に懸念を示していたからだ。

 宮内庁関係者によれば、

「母親の金銭問題よりも、ご本人の就職問題のほうが大事。内親王殿下(眞子さま)の嫁ぎ先が職なしというのは有り得ません」

 というのが宮内庁幹部が共有していた考えだった。

2022年2月、NY州の司法試験会場での小室圭さん。少しふっくらした印象で、シャツの胸元からは胸毛が飛び出している。(『デイリー・メール オンライン』より)

 小室さんは2021年5月には米国のフォーダム大学法科大学院を修了することが見込まれていた。その2カ月後の7月にニューヨーク州の司法試験を受験。大学院の成績が最優秀の次の「優秀ランク」であることから合格はほぼ間違いないといわれたが、合格したからといって即収入につながるわけではない。

 年内の結婚を進めるのに重要なのは、法律事務所から就職内定を得ることだと宮内庁は考えていた。司法試験に関しては、「今年不合格だったとしても翌年にチャレンジすれば済むことだ」と語る宮内庁関係者もいたほどだ。

 こうした宮内庁の考え方は小室さんにも伝わっていたようだ。フォーダム大の友人に「何としても卒業までに内定をもらわなくてはいけない」と語っている。

 就職活動を始めたのは、2020年の秋。同級生のうち早い学生は第2学年だった前年からスタートして内定をもらっていたので、小室さんは遅いほうだった。いくつかの事務所のインターンを受けたものの、なかなか色よい返事はもらえずに何度も厳しい現実を突きつけられたという。