北京五輪で日本代表のロコ・ソラーレが銀メダルを獲得してから、まもなく2週間が過ぎようとしている。連日の報道によるカーリングの周知という意味で、彼女たちの貢献度はかなり高いだろう。

 同時に次世代への道標や目標を与えることにもなった。その良質な刺激を受けたチームのひとつがSC軽井沢クラブJr.の女子チームだ。

世界で戦うための技術が身についていることも実感

 2019年に結成された、メンバー全員が現役大学生で構成されるチームで、今季は2年ぶり2回目の日本ジュニア選手権優勝を果たした。5月にスウェーデン・ヨーショーピンで行われる世界ジュニア選手権での優勝が直近の目標だが、ロコ・ソラーレの躍動はそのモチベーションを高めることになった。

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SC軽井沢クラブJr.の女子チーム。左から上野結生、山本冴、荻原詠理、上野美優 ©SC軽井沢クラブ

 リードでスキップの山本冴は、「今まで以上に身近に感じた」と世界との距離感を掴んだと話す。

「今まで(の五輪)はただぼーっと『すごいなあ』と観ているだけだったんですけれど、今回は考えながら観ることができました。実際に対戦したことのあるチームや選手も増えたので、だんだん世界で戦うための技術が自分たちの身についていることも実感しました」

 セカンドの上野結生は、ロコ・ソラーレの鈴木夕湖のパフォーマンスを参考にしたいと抱負を語る。

「リードのセットアップをサードやフォースにつなげるポジションなので、ドローから早いテイクまで幅広いショットを安定して投げなければいけない。スイープもあるので、スキルだけでなくメンタル面やフィジカル面でも体力がないと、大会後半のショット率にも響いてくる。だから(鈴木)夕湖さんのスイープ力やウェイトジャッジはすごいです。特にリードの2投をしっかり掃いた後にショットを決めていて、『あんなに掃いたあとに決めるんだ!?』と驚きました」

プレッシャーを抱えながらも、決め切るのが本当にすごい

 イギリスのビクトリア・ライト、スウェーデンのサラ・マクマナス、そして日本の吉田知那美、「コミュニケーションの取り方が参考になった」と3人のサードの名を挙げたのは、自身もサードとしてプレーする荻原詠理だ。

「スキップとのコミュニケーション、スイーパーとの情報交換や伝達を細かくしていた姿が印象的でした。チームメイト全員と常にポジティブな言葉を交わせるのは見習いたいです」