《この度、1年生担任の指導並びに校長の管理監督、保護者対応に不適切な事案があり、現在、当該職員2名は、通常業務に従事せず、盛岡市教育委員会による調査と研修が行われているところであります》
学校は2月8日、9日と2日間に分けて保護者説明会を実施。教育委員会の職員も出席した保護者会には、全校生徒約160人に対して90人ほどの保護者が出席した。保護者会では、副校長が「特別支援学級に対する偏見を助長し、支援学級の児童の人権や人格を無視する発言は看過できません。教員が児童に対し、恐怖感、侮辱感、人権侵害等の精神的傷を与えた不適切な指導と認められます」と述べ、女性教師の暴言、パワハラなどの不適切指導を陳謝した。
「私の卑しくあさましい人間性の表れと、反省しております」
2月15日には、Aくんの父親の元に校長から一連の出来事についての謝罪文が届いた。以下に文面を抜粋する。
《校長として不適切であった多くの行為を厳粛に受け止め、辞職することが適切と考えますが、改善研修を途中で放棄することも、岩手県教育委員会から何らかの懲戒処分が下される前に自分の意志で辞任することも、無責任な行為と考えます。そこで、この自宅での研修と反省を継続してまいります。
今年度で定年退職となり、退職後は再任用教員として5年間の勤務継続を考えておりましたが、今回の自身の行為を重く受け止め、来年度以降において再び「学校」「教育」「子ども」などにかかわる現場で働くべき人間ではないと自身を判断し、再任用教員として雇用される申請を取り下げました》
面談に女性教師を同席させなかった理由については、こう書かれていた。
《●●(女性教師)に対して、「保護者と話すときの言葉の選び方について、直接的すぎる表現をしたり、時には失礼な言い方をしたりしてしまう」という印象をもっていて、私の心の中に「●●(女性教師)の不用意な発言で、面談の雰囲気を悪くされ、自分の計画した面談の進め方を邪魔されたくない」という気持ちがあったと思います。(中略)自分本位で身勝手であり、私の卑しくあさましい人間性の表れと、反省しております》
2月24日には、Aくんの家に担任の女性教師から「私の不適切な指導で●●様に多大なるご迷惑をおかけしました」という謝罪の手紙が届いていた。
2月27日、取材班は事実確認のために女性教師に声をかけたが、小さな声で「教育委員会の調査中ですので、すみませんが、個別にお答えすることはできません」と話すのみだった。
不適切指導について、岩手県教育委員会に問い合わせると以下の回答があった。
「事実関係の有無のご質問につきましてはお答え出来かねます。(担任、校長の処遇については)個々の教職員に係る人事管理事項になりますので、こちらに関してもお答えすることは出来かねます」
父親が現在のAくんの様子について語った。
「息子は今も学校に行けていません。学校は怖いところというトラウマが強く残ってしまっているようです。学校には学校でしか経験できないことが多くあり、勉強のほかにも人との触れ合いや人間関係を学ぶことができる場所だと思います。今後も本人が学校に行けるようにアプローチしていきたいです」
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本件について、本日3月4日(金)21時からの「文春オンラインTV」で担当記者が詳しく解説する。