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 それによれば、ゴーンと聞いて思い浮かべる言葉は「事件」「お金」「司法」そして「泥棒」「詐欺師」であった。74%がゴーン被告に対して「悪い評価」をしている。「非常に悪い」は34%、対して「非常に良い」は4%にとどまった。

 大統領選挙での支持者別を見ると、経営者やエリート富裕層が多いフィヨン候補(共和党)に投票した人でも59%が「悪い評価」である。

 ただし、「カルロス・ゴーンが有罪か無罪かは別として、逃亡の理由は理解できるか」という質問に対しては「理解できる」がフィヨン候補支持者の64%で、全体でも45%にのぼっている。

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 ゴーン被告の振舞、陰謀論などには賛成できないが、日本の司法のありかたからして、逃亡するのもわかる、というところだろうか。

2002年10月、日産新型車「ティアナ」の発表 ©共同通信社

“味方”だった大手紙もついに…

 あの記者会見の後、多くのフランスのメディアはゴーン被告に批判的だった。フィヨン候補を支持していた「フィガロ」紙だけが日本の司法の糾弾に理解を見せていた。

 ただ、今回はその「フィガロ」も、大手紙の中で唯一とりあげていた一方で、電子版だけで記事の内容を紹介するにとどまった。ルメール大臣を名指しで批判したこと、いまのルノーの状況を嘆いたことには触れたが、日本の司法についての批判部分はとりあげなかった。もうゴーン被告の主張も聞き飽きたという感じだ。

 インタビューの中で、ゴーン被告は、ネットフリックスでのシリーズ・ドラマ計画を中止したと明かしている。「主に私の妻と私の間のロマンチックな関係、私の日本からの出国、陰謀を描きたがりました。あまりにも『タブロイド』であることに気づいたから」だという。

 ペロリー記者は、ゴーン被告について「フランスに戻るという考えを捨てていない。自分の名誉と評判を回復するという考えをあきらめていない。彼は説明し、説得し、名誉回復できると確信して希望をもちつづけている」と指摘している。

 しかし、フランス社会の反応は見てきたように冷たい。もはや、ゴーン被告はフランス人にとって、過去の人、せいぜい「タブロイド」の人、スキャンダルとゴシップの興味の対象でしかなくなってしまったようだ。