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災害対策ならば「小型モデルを複数調達」もあり?

 ここまで見てきた選び方であれば、まずは2万~3万円の予算から準備を始められるわけですが、災害対策ということで視野に入れておきたいのが、小型モデルを複数台揃える方法です。具体的には、5万円クラスの中型モデルを1台買うのではなく、2万~3万円クラスの小型モデルを2台買うという方法です。

 ポータブル電源が複数台あれば、充電忘れによって使えないというリスクも減らせますし、家族がそれぞれ別の部屋に持っていって使ったり、車で使うために自宅から持ち出すのも容易です。リビングなどに集まって使う場合も、ひとつを使い切っても残りがあるという安心感もあります。

2万~3万円クラスの小型モデル。背丈は500mlのペットボトル(中央)とほぼ変わらないなど、ポータブル電源としてはボディサイズもコンパクトです
小型と言っても多数のポートを備えており、複数の機器への同時給電が行なえます。写真は「Anker 521 Portable Power Station」

 これがもしキャンプなどでの利用であれば、こうした選び方はおすすめできません。冷蔵庫や大型扇風機、電気毛布など消費電力が大きな製品に使うには、定格出力が小さいモデルが複数あったところで対応できないからです。また家族が1カ所に集まって過ごすのであれば、複数台に分かれているメリットはほとんどありません。

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 しかし災害の備蓄用途であれば話は別です。特に各社の5万円クラスの中型モデルと、2万~3万円クラスの小型モデルとでは、定格出力そのものは変わらず、容量だけが違うケースがほとんどなので、中型ではなく小型モデルを選んだことで特定の家電製品が使えなくなるケースは、それほど発生しないのが現状です。

 それならば予算ができた範囲で小型モデルを買い、将来的にさらに余裕ができれば追加で買い足すという形を取るのは、いまできる災害への備えとしては適しています。災害がいつ発生するかわからない以上、予算が確保できるまで購入を見合わせるのは、リスクの高い行為だからです。また将来的に摩耗によって買い替える場合も、1台ずつ時期をずらせる利点もあります。