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 ひとつはコンセントやポートの数です。家電製品をつなぐコンセントの数は、1つの製品もあれば2つの製品もあります。容量が控えめな小型モデルは、複数の家電製品を同時につなぐとあっという間に残量がなくなってしまうので、多すぎても宝の持ち腐れになってしまいますが、あれば使い方が広がるのは事実です。

 一方でUSBポートについては、家族が多く複数のスマホを同時に充電しなくてはいけない場合など、あって困ることはなく、災害用途であれば特に重要と言えます。特にUSB PDに対応したUSB Type-Cポートがあれば、スマホを高速充電できるだけではなく、ポータブル電源そのものの充電にも役立ちます。

コンセント数の違い。左がJackery製品、右がAnker製品(以下同じ)。2万~3万円クラスの製品であれば、1個口もしくは2個口が標準的です
USBポート数の違い。最近は急速充電に対応したUSB Type-Cポートを搭載する製品も増えています

 製品によって大きな違いが出るのが、バッテリーの残量等を示す液晶画面の情報の細かさです。災害時は精神的な余裕がないことがほとんどで、ポータブル電源が残りどれくらい使えるのか、少しでも詳しく表示してくれるほうが、安心できることに間違いはありません。

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 今回紹介している両製品で大きく違うのは、Ankerの製品はライトを内蔵していることです。これだけで夜間の照明として使えてしまうので、災害対策という意味では便利です。

 一方のJackeryの製品は、バッテリーを充電するためのポートが本体前面にあるため、壁に近づけた状態で設置でき、充電もそのままの位置で行えます。Ankerの製品はこのポートが背面にあるため、充電のたびに手元に引き出さなくてはならないのとは大きな違いです。

液晶ディスプレイの情報量の多さは重要です。残りパーセンテージ以外に、給電中のポートをアイコン表示してくれる製品(右)もあります
Anker製品はライトを内蔵しており、停電時の利用には適しています
本体への充電方法。Jackery製品は正面から充電できるので、背面を壁につけての設置にも対応できます

 このように、定格出力や容量が横並びでも、メーカーごとに設計はさまざまで、意外なところに違いがあります。もし小型モデルを複数台調達するのであれば、敢えて別メーカーの製品を選んで、違いを体感してみるというのも、ひとつの考え方と言えるかもしれません。ただしその場合は、ソーラーパネルのようなメーカー固有のオプションは共用できなくなるので、注意が必要です。