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「カムカム」轟監督役・土平ドンペイが感動した安達祐実 「これやねん!」の演技とは

#2 独占告白2時間「僕の“大部屋時代”」と「共演者の素顔」

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モモケンを前に「ゾクッと鳥肌が立ちました」

――モモケン役の尾上菊之助さんはどうでしたか?

「やっぱり歌舞伎をやられているのがあって、キメの『暗闇でしか見えぬものがある』のポーズで、『黍之丞、見参!』と演じますね。『見参!』と決めた後にピクッと1cmに満たないくらい、僅かに首が動くんですよ。それを見た時ゾクッと鳥肌が立ちました」

――歌舞伎の見得を切ったあとに首を動かすような感じですか?

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「そう! 『これやわ、これはできへんわ』と思いました。ご本人にもゾクッとしましたと伝えました」

――現場では、菊之助さんとはどんな話を?

「最初に話をしたのは、虚無さんと本郷君のオーディション審査をやる場面だったんです(18週83話)。2人で並んで座っている時に、テストをする前、『監督、この前「逆転人生」見ましたよ』と言われたんです。NHKでやっているドキュメンタリーで、僕がこの前、冤罪事件の主演を演じたんです(逆転人生「殺人のえん罪を晴らせ 43年がかりの逆転劇」(2021年11月22日、NHK総合))。それを尾上さんが見ていたみたいで、『こんなお仕事されるんやなと思いました』『いやーなんでもやるんですよ』なんて会話をしてたら、ちょうどその時に松重さんがスタジオに入ってきたんです。それで、一番最初に僕のところへ来て、『ドンペイちゃん、この間見たよ。あれドンペイちゃんの人生だろ?』『冤罪の? なんでですか!(笑)』と返したら、尾上さんも『ちょうど今その話をしていたんですよ』と。結構みんな見てるんだなぁと。そんなようなことを話しかけて下さったんで、こっちも気をそこまで遣わずにいられましたね」

伴虚無蔵とモモケン(番組公式インスタグラムより)