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ロシアの工作員による犯行説まで浮上

 その結果、DNCのデータは、遠隔ハッキングではありえないスピードでUSBにコピーされたことが判明。コピーが行われた場所は、米国東海岸だったことまで明らかになった。

 リッチは、誰によって射殺されたのか。彼がDNCメールをリークしたのか。様々な疑問が残る中、DNCによる暗殺の可能性や、ロシアの工作員による犯行説まで浮上している。

 VIPSは03年1月の創設以来、何度もインテリジェンスの政治利用に警鐘を鳴らしてきた。近年、02年10月版国家情報評価書が公開されたことにより、VIPSの指摘通り、イラク侵攻に至るまで悪質なインテリジェンスの政治利用が行われていたことが証明されている。

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 しかし、DNCのメール流出は、ロシアの工作以外の見方は陰謀論として片付けられているのが現状だ。特にモラーの7月起訴状が公開されると、こうした評価が一層強まった。また、リッチ殺害事件は捜査が打ち切られ、迷宮入りになりつつある。事件の本格的な捜査が、ロシアゲート疑惑解明の糸口になるかもしれない。

後編へ続く

トランプ ロシアゲートの虚実 (文春新書)

小川 聡・東 秀敏

文藝春秋

2018年8月20日 発売