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《土浦集団リンチ傷害致死事件》「『将来は一緒に仕事をやろうよ』と話していたのに…」「同棲をはじめ、結婚を楽しみにしていた…」 被害者の父が語った悲痛な想い

《土浦集団リンチ傷害致死事件》「『将来は一緒に仕事をやろうよ』と話していたのに…」「同棲をはじめ、結婚を楽しみにしていた…」 被害者の父が語った悲痛な想い

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病院に「集まった人は皆泣いていた」

「病院に行くと、当日に夕輝と一緒にクラブにいた4人の友達がいました。彼らは夕輝の小中学校時代からの同級生で、昔はよく家にも遊びに来ていた馴染みのメンバー。夕輝と一緒にラップのグループを作り、作曲や作詞を一緒にしていたんです。会うと、彼らは責任を感じていて『ごめんなさい』と口にできないぐらい、泣きじゃくりながら頭を下げてきました。一緒に病院に行った妻、姉2人、年子の兄も含めて、集まった人は皆泣いていましたね。暴行を受けた夕輝の顔の半分は、痛々しいほどパンパンに腫れあがっていました」

夕輝さんと友人たちが通っていた小学校 ©文藝春秋
夕輝さんと友人たちが通っていた中学校。昔からの幼馴染だった ©文藝春秋

 浜田さんはクラブのオーナーとはもともと知り合いで、この日はラップの公演のため、土浦まで足を延ばしていたのだという。公演終了後、逮捕された鴫原グループの不良たちと浜田さんはクラブ内で口論になったようだ。

ナイトクラブの外には20人~30人の仲間が…

「『何見てんだよ』と不良グループの1人がしつこく絡んできたようです。夕輝は叩かれたり引っ張られたりして、我慢できずに取っ組み合いの喧嘩になりました。それを見たオーナーに『外でやってくれ!』と言われ、店外に出されることになったのですが、外には未成年ばかり20~30人の仲間が呼ばれて待機していたそうです。

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事件があった資材置き場 ©文藝春秋 撮影・上田康太郎

 連中は夕輝1人だけを資材置き場に連れていき、リンチを加えた。夕輝の友達4人は相手が多すぎて、どうすることもできなかった。やがてパトカーのサイレンが聞こえると、相手は散り散りに逃げていき、既に意識を失った夕輝だけが現場に残されていたといいます。犯人グループがとにかく憎い。オーナーも旧知の知り合いだというのに、どうして喧嘩を止めず外に出してしまったのか……。何もかも許せないことばかりです」

 コロナ禍のため、浜田さんへの面会は謝絶。1日15分、AさんがiPadを通じてリモートで昏睡状態にある浜田さんの顔を見ながら、声をかけることが許されるばかりだった。

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