“半同棲”状態で、結婚を楽しみにしていた夕輝さん
こうした“成長”は、プライベートの充実も少なからず影響していたのかもしれない。
「2年前からは彼女を連れてきて、実家に泊まるようになり“半同棲”状態でした。親としては、『もうすぐ結婚するんだろうな』と楽しみにしていましたよ。実際に『結婚するつもりだった』といって、夕輝の彼女は集中治療室で泣き崩れていましたね」
Aさんの1番の思い出は、浜田さんとその友人、妻の4人で音楽ライブにいったことだ。
「まだ夕輝が中学2年生の頃、一緒にONE OK ROCKのライブを生で見に行ったんです。初めてだったので印象に残ったのかな……ラップをやってるぐらいだからHIPHOPが好きなのかと思ったら、死ぬまでONE OK ROCKが1番好きだったみたいです。仕事を頑張っていたから、安い中古のアウディを去年、あげました。その車でドライブする時にいつも流していたようです」
最後にAさんは言葉を詰まらせ、こう続けた。
「ただ、もう夕輝は帰ってこない。どんなことがあっても、夕輝と会うこともできないし、喋ることもできないし、遊ぶことももちろんできない。こうした気持ちをどうやって被害者家族は克服すればいいのか、わかりません。妻もずっと部屋で泣いています。私は今、仕事を休んでいて、裁判が終わるまでこの事件に全力で向き合うつもりです。それが最後に夕輝のためにできることだと思っています」
「短い時間だったけど幸せでした」
Aさんは、浜田さんの棺の帯にこう書き残した。
「21年間、短い時間だったけど幸せでした。守ってやれなくてごめんな」
浜田さんの優しい笑みが、誰かに向けられることはもう二度とない。
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