1ページ目から読む
3/4ページ目

前ソウル市長のセクハラ疑惑での対応に批判が

 3月15日には、47の女性運動団体の集まりが「女性家族部は権力型セクハラに沈黙し、男女間の葛藤を深めさせた」「女性家族部は時代の変化によって作られ、やはり、時代の変化によってなくすこともできる部署。歴史的役目はすべて終えた」として廃止を求めるデモを国会前で行った。

 権力型セクハラとは、2年前の朴元淳前ソウル市長によるセクハラ疑惑を指している。この時、女性家族部は告発した被害者をフォローすることなく、「被害を訴える人」と呼び、権力側についたと囂々たる非難を浴びた。

強制わいせつ疑惑を抱えたまま自殺した朴元淳・前ソウル市長 ©AFLO

「女性家族部」は1998年、当時の金大中大統領が大統領直属に新設した「女性特別委員会」が前身だ。2001年に女性部に昇格し、05年に「女性家族部」、08年、李明博大統領時代に「女性部」となった。廃止を進めたが反対にあい、一旦出産や育児に関連する政策が他部署移管されたが、10年には再びすべての業務を含む「女性家族部」となり現在に至っている。

ADVERTISEMENT

 また、保守寄りの中央日報には朴前ソウル市長の被害者だった女性による、「“被害を訴える人” 野蛮な二次加害…こんな共に民主党を選択することはできなかった」というタイトルのコラムが掲載された。同紙が大統領選直後から始めた『一理ある1、2番(大統領選挙候補者の番号)選択』という連載の2回目で、女性家族部の存在意義に疑問を呈している。一部抜粋しよう。

「今、女性家族部存廃を巡って騒々しい。表層的な問題より根本的な問いかけをしたい。組織に“女性”という名前を持った部署があれば権利を保障できるという形式的な両性の平等だけが必要なのか疑問だ。(中略)大したことを望んでいるわけではない。女性家族部が強固に存在していたこの5年間、『共に民主党』政権で起きたとんでもないことを再び繰り返してはならないという思いだけだ」(中央日報3月15日)