新与党は「女性に関する政策がなくなるわけではない」と主張
「国民の力」選挙対策委員会委員長として公約作りに関与したイ・スジョン元京畿大学犯罪心理学科教授はラジオのインタビューにこう答えている。
「女性家族部が廃止されても女性に関する政策がなくなるわけではありません。司法に関する公約の半分は女性政策に関するもので、性犯罪に関するものなどは現在より厳罰化した内容になっています。青少年や家族関連は福祉部の公約に入っていますし、少年犯罪、児童虐待、家庭内暴力事件など、さらには関連した刑事事件までを扱う統合家庭裁判所設立も含まれています。
現在の女性家族部には被害者を守らなかった、また、支援団体では支援金が不正に流用されるなどの過失がありました。『女性家族部廃止』の前に『現在の』という言葉が隠れているのです」(CBSラジオ3月11日)
最近の世論調査では、「維持しても改編」が44.6%、「廃止」33.9%、「現状維持」15.9%(SBS)という結果がでていた。
自らフェミニストを名乗る、中道系紙記者(女性、30代)はこう話す。
「個人的には改編すべきだと思っています。女性家族部にはフェミニストの立場から見ても失望することが多かったことは事実です。予算、政策のほとんどが家族と青少年問題に割り当てられていて、女性問題についての政策は7%ほどしかありませんでした。そもそも、部署自体があまりにも小さすぎて、予算も権限も十分ではなかったですから、きちんと機能を果たしていたとはいえませんでした」
女性家族部の予算は全体の約0.2%に当たり、職員は270人ほどだ。
それにしても、今回の大統領選はかつて見たことのない光景の連続だった。これまでの保守VS進歩というイデオロギー対決の色は薄く、一騎打ちとなった候補者も共に国政経験はゼロ。さらに当選した尹氏は政治経験のない、前検事総長という検事出身だ。さらに、これほど、女性有権者の動きが注目されたことはなかっただろう。前出のイ教授はこう話している。
「今回の選挙ほど女性の有権者が結集し、有権者としての声を挙げたことは今までなかった。とても重要な、個人的には韓国政治史上において特筆される選挙だったと思っています」