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各界で進む、社会からの暴力団排除活動
構成員数の減少は、関西だけでなく関東の両雄と称される住吉会と稲川会も同様だ。
長年にわたり住吉会は山口組に次ぐ国内で2番目の組織で、稲川会は3番目だ。住吉会は暴排条例施行前の2010年には約5900人、稲川会も約4500人に上っていた。しかし、警察当局が集計した2021年の年末時点での最新データによると、暴排条例を経て住吉会は約2500人、稲川会は約1900人まで減っていたことが判明。それぞれ半減以下となった。
多くの暴力団幹部は、暴排条例施行以降の「社会からの排除活動」が組員の減少に大きく影響したと述べている。首都圏で活動している指定暴力団幹部はこう振り返る。
「例えばある日、銀行から電話があり『口座を解約します』と突然一方的に通告された。その後は(銀行の)弁護士が対応することとなり、話し合いがあったが、結局のところ口座を閉められた。数千万円の残高は現金書留で送られてきた」
各銀行はそれぞれ「暴力団排除条項」という内部規定を作成することで排除を進めた。同様の活動は、不動産や自動車販売など様々な業界でも整備された。日常生活での規制だけでなく、ゴルフ場からの締め出しなど、レジャー分野でも排除が進んだ。
現在ではライフラインといっても過言ではないスマートフォンなどの契約でも携帯電話会社の暴排条項で、暴力団は排除されることとなった。