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警戒される「偽装破門」と「半グレ」の台頭
暴力団排除が社会で進むなかで、ある指定暴力団の元組員は、組織を離脱した際の状況をこう説明する。
「自分が面倒をみていた繁華街で、みかじめ料などを集めるのが厳しくなった。このままでは食っていけないと思い、それでヤクザを辞めた。辞めた後は、建設関係のまともな仕事をやっている。ヤクザになる前も、建設関係で働いていたことがあるので違和感はない」
暴対法は1992年3月に施行されてから今年で30年となった。警察当局の幹部はこんな認識を示す。
「暴対法で規制することは、暴力団の活動を制限する効果があった。さらに暴排条例の施行の影響は大きく、これで勢力がかなり減少した。ただ、以前から指摘されている、あえて組員を組織から外しておく『偽装破門』などで地下潜行がさらに本格化する危惧はある」
暴力団に加入すると、特有の慣習やしきたりが多いことから、近年は「半グレ」と呼ばれる不良グループが増加傾向にある。警察当局は半グレについて全国で70~80のグループがオレオレ詐欺などの特殊詐欺などを資金源に活動しているとして、準暴力団として位置づけて捜査を強化している。警察と暴力団の攻防は今後も続く。