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「性の切り売り」以外のセカンドキャリアも…

――AV女優のセカンドキャリアに不安はなかったのでしょうか。

澁谷 私はそこまでなかったです。でも、AV女優への偏見はまだまだたくさんありますね。いきなり胸を触ってくる人もいますし。AV女優だから何をしてもいいと思っている人は多いです。

 現実的には、AV女優の事務所も風俗店などを持っているところも多いので、「性の切り売り」からなかなか離れられないケースもあると思います。AV女優のセカンドキャリアの道が他に比べてそこまでないので、結局は裸やエロを売りにする方もいると聞きます。

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 私も「今しているコスプレだって、性を売っているじゃないか」と言われたらおしまいですけど、どこまでが性を売っているのかは人それぞれ違うと思います。私の中では、今やっている仕事は「性の切り売り」だとは思っていないんですよね。微力ですけど、私が「元AV女優」としていろんな挑戦をしながら生きていくことで、セカンドキャリアの選択肢が増えたら嬉しいです。

 

――今のAV業界に何か思うことはありますか。

澁谷 今、ユニットを組んだり、アイドル活動をしているAV女優が増えてきたんですが、そういう活動をもっと支援していける体制が作られたらいいなと思います。AV女優をしながらも「性」の部分とは少し切り離した活動をしたり、全く違うジャンルの仕事をすることで、セカンドキャリアを探すときの強みになると思います。

これからも自分の興味を持っていることに挑戦していきたい

――現在、澁谷さんは海外まで活動の幅を広げていますよね。

澁谷 英語が得意なこともあって、海外向けの活動を多くしています。SNSのフォロワーは海外の方が多いです。私の活動を見て、海外の方が日本のアニメ文化に興味を持ってくれたら嬉しいですね。他にも執筆業などもしているので、マルチに活動しています。

 

――引退して約4年が経ちますが、今思うことは何でしょうか。

澁谷 やっと自由になれたなと感じています。今、本当にやりたいことをやれていて、時間が足りないくらいなんです。これからも自分の興味を持っていることにどんどん挑戦していきたいですね。

 いつか自分の残したお金をチャリティに寄付するのが夢です。家族がいない分、他の子供たちに奨学金としてつかってもらえるように、基金などを立ち上げられたら嬉しいですね。

撮影=平松市聖/文藝春秋

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