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澁谷 その時に、「あ、やっぱりこの人たちは、私のことよりも自分たちの体裁しか気にしていないんだな」と思って、少し距離を置きました。それからも不満に思うことが積み重なり、現在は完全に離れています。

性被害を告白した時に、母親から言われた衝撃的な言葉

――AV女優になる前からご両親に対して思うことがあったと。

澁谷 そうですね。小学生の時にバス停で痴漢されたことがあって、怖くてすぐ近くの交番に逃げたんです。帰ってからそのことを母親に話したんですが、「そんなことで大騒ぎしないでよ。交番なんかに行ったら夕食が遅くなるじゃない」って言われて。私の中では、交番に行くことは正解だと思ったし、母親は心配してくれると思っていたので、私の性被害を「そんなこと」と言われたのがすごくショックでした。

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 それからも痴漢などの性被害があるたびに、母親に話すんですけど、「私が若い頃なんてそんなの当たり前だったわよ。そのくらいで騒がないで」って。性被害に怯えていた私は、「そういう言葉が欲しいわけじゃないのに。私は被害者なのに。なぜ母親はそんな言葉を投げかけるんだろう」って思っていました。

――家族に理解してもらえず、一人で抱え込んでいたんですね。

澁谷 理解しないどころか、マウントを取ってくるんです。私の友達でシングルマザーになった子がいて、その子のことも「私だったらそんな金がない男は選ばないわ~なんでそんな人と付き合うのかわからない」と侮辱したり、私に対しても「あなた英語できるんだから外人と結婚しなさいよ。ハーフの子どもは可愛いから。あ、でもこの国とこの国の人はだめよ」って人種差別的な発言もして。ありえないですよね。

 

 母も父もいわゆる勝ち組の人生を歩んできて、お金もあって、世間から羨ましがられる生活をしてきたので、とにかく人のことを見下しているんです。それをずっと近くで見てきていたので、こういう大人にだけはなりたくないなって反面教師にしていました。私は、絶対に人を見た目や職業で判断したくないって思っていましたね。

――ご両親の理解できない言動が積み重なって、距離を置かれたんですね。

澁谷 そうですね。決定的だったのは、昨年、両親から嘘つき呼ばわりされた時でした。人生で一番最初に私の胸を触ったのは兄なんですが、それをインタビューで話したら、私のウィキペディアに載ったみたいで、連絡がきたんです。