その動画には、サッカー選手、本田圭佑(35)の姿が映っている。デスクの椅子に腰掛け、英語の発音の練習をしている場面だ。リモートでお手本を見せているのは、「だいじろー」と呼ばれる日本の若者である。

「渋滞を避けるために、サムは路面電車を追いかけた」(Sam ran after the tram to escape the traffic jam)

 母音の多い例文を、だいじろー(32)が流暢な英語で発音すると、本田がそれに続いた。その上達ぶりにだいじろーが思わずうなった。

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本田の発音指導をするに至った経緯とは

「いやあ、めちゃくちゃいいです!」

 感想を伝えられた本田は両手を叩き、「ブラボー!」と連呼した。

 別の例文では、だいじろーがこうアドバイスする。

「練習の時はうまくいっても、実際にネイティブと話すと(練習通りの発音が)出てこなくなるんです。それは英語を理解しなきゃ、ちゃんと話そうとして緊張するからです。リラックス感がなくなって肩に力が入ってしまう。だからどっしり構えるのは大事ですね」

だいじろーさん

 この動画「本田圭佑さんと英語発音レッスンやってみた!」がアップされているのは、「だいじろー Daijiro」という名前のYouTubeチャンネルだ。登録者数は3月1日現在、約30万人に上る。

 作成者のだいじろーは、本田の発音指導をするに至った経緯をこう説明する。

「本田さんは発音矯正をやりたかったんですが、通っていた英語コーチングの会社『プログリット』には発音に特化したプログラムがなかったようでして。それで副社長さんに紹介されたのがきっかけです。本田さんの発音はうまいですよ。アベレージよりも全然上です!」

発音をめぐってアメリカ人とイギリス人がののしり合い

 チャンネルはこのほか、アメリカ英語とイギリス英語の発音の違いを皮肉ったコントシリーズが評判で、70万~100万回再生されている。

「話が噛み合わないアメリカ人とイギリス人コント」は、スポーツウェアメーカーの「アディダス」の発音をめぐってアメリカ人とイギリス人がののしり合い、喧嘩をする内容だ。

話が噛み合わないアメリカ人とイギリス人コント

 だいじろーが1人で2役をこなし、両国の発音の特徴を変顔で強調し、視聴者に面白おかしく伝えている。その意図をだいじろーが説明する。