2024年、ワールドシリーズを制して世界一に輝いたロサンゼルス・ドジャース。 その中心にいたのが、史上初のシーズン50本塁打/50盗塁を記録し、自身3度目となる満票MVPを獲得した大谷翔平だ。

 ここでは、スポーツライター・AKI猪瀬氏の著書『ドジャースと12人の侍 日本人選手を受け入れ続ける名門球団の足跡』(KADOKAWA)より一部を抜粋して、2024年の大谷翔平の活躍を振り返る。(全2回の2回目/1回目から続く)

大谷翔平選手 ©文藝春秋

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夢の球宴で日本人初フェンス越えの本塁打

 大谷は、ナショナル・リーグ指名打者部門最終投票でフィリーズのカイル・シュワーバーを上回り、4年連続4回目の球宴選出が決定。7月16日、テキサス州アーリントン、テキサス・レンジャーズの本拠地グローブライフ・フィールドで開催された第94回オールスター・ゲーム。

 ナショナル・リーグ2番指名打者でスタメン出場すると、第1打席はアメリカン・リーグ先発、サイ・ヤング賞経験者、ボルチモア・オリオールズのコービン・バーンズと対戦して四球で出塁。

 第2打席はボストン・レッドソックスのタナー・ハウクと対戦。ハウクが投じた3球目のスプリットを強振した打球は、右中間スタンド中段に突き刺さる特大の本塁打になった。

 自身初となる球宴での本塁打は、日本人選手としては初となるフェンス越えの本塁打となった(2007年球宴でのイチローの本塁打は、インサイド・ザ・パーク・ホームラン/ラニング・ホームラン)。

 第3打席はオークランド・アスレチックスの剛腕クローザー、メイソン・ミラーの前に三振。球宴を終えて大谷は、「あまりオールスターで打てていなかったので、まずいいヒットが出たのが自分としてはホッとしました」「ドジャースの一員として今回選んでもらってすごく光栄だなと感じているので、何回でもドジャースの代表として、ここにまた来られるように、そういう野球をしたいなと思ってます」とコメント。

 また、球宴の恒例行事のひとつ「レッドカーペット」では、真美子夫人同伴で登場。間近で取材して、真美子夫人の美しさを再確認すると共に、2人で歩く姿は想像以上にお似合いのカップルだと感銘を受けた。

 球宴本戦は、ライトポール際に設置された臨時取材席で観戦。バッターボックスから距離がある位置だったが、大谷が放った本塁打の打撃音の凄まじさには驚愕した。