2024年、ワールドシリーズを制して世界一に輝いたロサンゼルス・ドジャース。 その中心にいたのが、史上初のシーズン50本塁打/50盗塁を記録し、自身3度目となる満票MVPを獲得した大谷翔平だ。

 ここでは、スポーツライター・AKI猪瀬氏の著書『ドジャースと12人の侍 日本人選手を受け入れ続ける名門球団の足跡』(KADOKAWA)より一部を抜粋して、2024年の大谷翔平の活躍を振り返る。(全2回の1回目/2回目に続く)

大谷翔平選手 ©文藝春秋

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韓国での開幕戦シリーズ開催前に世界を駆け巡った電撃結婚発表

 2月29日、大谷が自身のSNSで「いつも温かい応援をいただきありがとうございます。シーズンも近づいておりますが本日は皆様に結婚いたしました事をご報告させていただきます。新たなチームと新たな環境でのスタートとなりますが、2人と(1匹)で力を合わせ支え合い、そしてファンの皆様と共に歩んでいけたらと思っております。まだまだ未熟な点も多々あるかと思いますが、温かく見守っていただければ幸いです。お相手は日本人女性です。明日の囲み取材で対応させていただきますので今後も両親族を含め無許可での取材等はお控え頂きますよう宜しくお願い申し上げます」と、結婚を発表。大谷の電撃結婚発表は、日本はもとより、アメリカをはじめ世界中を駆け巡った。

 3月15日、ドジャース公式「X」で「韓国に向かうフライト前の大谷翔平と妻の写真」が投稿され、大谷の妻が旧姓・田中真美子さんであることが判明。結婚発表から写真公開まで驚きの連続で、大谷はドジャースの一員として、史上初の韓国開催となった開幕戦シリーズへ旅立ち、韓国でも熱狂的な歓迎を受けた。

 3月20日に行われた開幕戦、大谷は2番指名打者で出場。この試合で1番ベッツ、2番大谷、3番フリーマンの「MVPトリオ」が公式戦初披露された。

 MVP受賞者が上位から3人並ぶのは、長い歴史を誇るMLBでも非常に珍しく、過去を紐解いても1976年シンシナティ・レッズの1番ピート・ローズ、2番ジョー・モーガン、3番ジョニー・ベンチ。1978年レッズの1番ローズ、2番モーガン、3番ジョージ・フォスター。1983年フィラデルフィア・フィリーズの1番ローズ、2番モーガン、3番マイク・シュミット以来、史上4組目。