「MVPトリオ」が上位から3人並んで消化した試合数は、1976年と1978年は各1試合、1983年のフィリーズが10試合だけ。ドジャースの「MVPトリオ」は、故障者や休場者が出ない限り継続的に起用されたことを考慮するとMLB史上初めてフル稼働したことになる。
シリーズ初となる開幕戦での大谷とダルビッシュの対決
開幕戦の相手は同地区最大のライバル、サンディエゴ・パドレス。パドレスの開幕投手はダルビッシュ有。北海道日本ハムファイターズ時代に背番号をダルビッシュから譲り受けた大谷は、ダルビッシュについて「小さなころから見ていて、大好きな投手」と答えている。
両者の対決はこの韓国シリーズが初。第1打席はショートゴロでダルビッシュに軍配が上がり、第2打席の3球目、ライトへ打球速度192キロの特大ファール、その直後、ドジャース移籍後初安打となるライト前ヒットで出塁して二盗に成功した。
初対戦を終えたダルビッシュは「一緒にトレーニングしていた時期もあるし、色々な今までの関係というか、そういうものもあるから、不思議な感じだった」。ヒットを打たれたことに関して「自分の中では、ニコッとしてしまった。何だかんだ、情が入っていたんだと思います」と振り返った。
一方の大谷は「会釈くらいしたかったけど、ピッチクロックで時間がなかったので、塁上からという感じになった。球も素晴らしく、何とか1本打てた。ここから何回もやっていくと思う」とコメント。
第2戦を前に水原一平通訳をめぐる衝撃のスキャンダル
また、この韓国シリーズでは第1戦でパドレスの松井裕樹、第2戦でドジャースの山本由伸がMLBデビューを飾った。日本のファンにとっては十分魅力的な開幕シリーズとなったが、第2戦を前に衝撃のニュースが報道される。
MLB挑戦から行動を共にしてきた水原一平通訳の解雇だ。解雇理由は違法賭博への関与で、大谷の口座からの高額な不正送金も発覚。スーパースターを襲った突然のスキャンダルに周囲は騒然となったが、韓国シリーズ第2戦後、渦中の大谷は集まったメディアに対して「お疲れ様でした」とだけ声をかけて、アメリカに戻るために空港へ向かった。
アメリカ本土での開幕戦は3月28日、本拠地ドジャー・スタジアムでのセントルイス・カージナルス戦。2番指名打者で出場した大谷は2安打を記録する。その後も韓国開幕シリーズを含む8試合消化時点でシーズン打率2割4分2厘、8安打、0本塁打、長打は二塁打3本と待望の本塁打がなかなか出ない。
