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「アメリカ英語に発狂するイギリス人」動画でブレイク、人気YouTuberが“発音ネタ”を仕事にするまで

YouTuber「だいじろー」インタビュー #2

2022/03/06
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 新卒で入社した会社を半年で辞め、就活のためにタイへ飛んだだいじろーはその後、どのような道を歩むのか。

 その変化を象徴する1本の動画がある。

水鉄砲を持ったタイ人たちに周囲を取り囲まれ…

 炎天下の中、白いシャツ姿のだいじろーが、ビデオカメラを持つ相方と掛け合いを始める。

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だいじろーさん

「今日は何だって?」(だいじろー)

「今日はソンクラーン。遊ぼうよ」(相方)

「あまえんなよ! 浮かれてんなあ世の中。見てくれよ。浮かれた人たちばっかりだ」(だいじろーが通行人を指さす)

「正月やからなあ」(相方)

「俺は日本人じゃん。24時間勉強だよ!」(だいじろー)

 現場はタイの首都バンコク。バックパッカーが集まる「カオサン」と呼ばれる通りだ。そこで2人は「必勝」と書かれた日の丸入りのはちまきを締め、折り畳みテーブルを路上に並べ、あぐらを搔いて勉強を始める。すると水鉄砲を持ったタイ人たちに周囲を取り囲まれ、たちまち水攻めの集中砲火を浴びる。

水掛け祭りの最中に路上で「勉強」(YouTubeより)

動画は22万回再生され、タイの新聞でも取り上げられた

 この動画「タイの水掛け祭りで勉強したらどれぐらい捗るのか?」は2019年4月のソンクラーンの時期に撮影された。ソンクラーンとは、「水掛け祭り」として知られるタイの正月で、誰彼構わず水を掛けるのが許される恒例行事だ。だいじろーが動画の意図を語る。

「休日気分のタイの情景と対比させて、真面目な日本の国民性を皮肉ったんです。タイの人たちも僕らに『水を掛けても大丈夫かな?』という雰囲気だったんですが、誰かが少し掛けると『いいんだ!』となってみんなから一斉に掛けられました(笑)。一瞬でビショビショになりましたよ。それがバズったんです!」

 動画は22万回再生され、タイの新聞でも取り上げられた。

 タイへ渡っただいじろーは、現地の法人に採用される「現地採用」という雇用形態で仕事を始め、日系企業などを転々とし、いつの間にかYouTuberになっていたのだ。