再生回数は多い時で100万回を突破した。登録者数はYouTube開始から2年後には8万人に達し、タイの日本人社会ではもっとも著名なYouTuberの1人になった。
相方との関係に悩んでパニック障害に
ようやく自分のやりたいことで成功を手にしつつあっただいじろー。映像を通して見える順風満帆な姿とは裏腹に、メンタル面で不調を来していた。原因は、相方との関係だった。
「動画のキャストは僕がメインだったんです。僕の持ち味が生きるチャンネルといいますか。相方もたまに登場するんですが、視聴者の注目が僕にしか向かなかったんです。それで関係が微妙になり、出口が見えなくなりました」
その距離感に悩まされただいじろーの体に異変が起きる。
「相方と2人でブルネイに行った時のことです。飛行機に乗ってドアが閉まると、急に息苦しくなり、死ぬんじゃないかという感覚に襲われました。体が震えて過呼吸になりました」
バンコクの病院で、パニック障害と診断された。相方には「休憩したい」と伝え、だいじろーは勤務先の日系企業も退社し、日本へ帰国する。バンコクで生活を始めて6年半が経った、2019年7月のことだった。
「発音だったら僕にしかできないんじゃないか」
日本で振り出しに戻っただいじろーは、続いて自身のチャンネルを作り、実家の北海道から配信した。最初は英文法や海外ニュースの解説などをコンテンツにしたが、登録者数や再生回数は伸び悩んだ。そこでまたしても原点に立ち返る。
「自分って何が好きだったのかなって思い返した時に、やっぱり英語だなと。ただ、英語で配信しているバイリンガルのユーチューバーはすでにいたので、ネイティブには勝てない。でも発音だったら僕にしかできないんじゃないか。特にイギリス英語は(アメリカの)ネイティブでも発音できないんです」
アメリカ人とイギリス人の発音や言い回しの違いを皮肉り、コント仕立てにして連続配信した。
これらが当たって再生回数はいずれも70万~100万回を記録し、2万人だった登録者数は3週間で10万人まで膨れ上がった。