今週のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』はハリウッドの映画製作チームがひなた(川栄李奈)の働く映画村を見学。本日放送の第102回あらすじでは、日本人俳優の大規模オーディションの開催を耳にしたひなたが、俳優を辞めた五十嵐文四郎(本郷奏多)のことを想い起こすシーンが紹介された。
売れない大部屋俳優・五十嵐を演じていた本郷奏多。しかし自身の俳優業では5歳で芸能活動を開始以降、数々の映画・ドラマに出演するなど、五十嵐とは正反対の“売れっ子人生”を歩んでいる。活躍の背景には何があるのか。子役オーディションでの様子や本郷の“癖”を報じた「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:週刊文春 2022年3月10日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で、大部屋俳優・五十嵐文四郎を演じる本郷奏多(かなた)(31)。生意気で無愛想。ちょっと癖が強い役どころだが、素顔の彼も“癖”が……。
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5歳で芸能活動を開始、11歳で俳優デビュー
NHK関係者が言う。
「死体役を演じるため、五十嵐が地面に横たわって練習するシーンがありますが、彼自身もセットの隅や前室で死体の練習をしていました。すると、劇中同様、川栄(李奈)さんが『何してるんですか?』と突っ込んでいた。現場でも川栄さんとの相性はバッチリです」
本郷が芸能活動を始めたのは5歳の時だ。地元・仙台のモデル事務所に所属し、02年に11歳で俳優デビュー。その3年後に、映画『HINOKIO』で初主演を果たす。秋山貴彦監督が当時の様子を振り返る。
興味があるものを聞くと「お金かなぁ」
「1000人ほどの子役をオーディションしたのですが、彼の演技は飛び抜けていた。大人に取り入ろうとする子役が多い中、彼だけはさばさばしていて、作った感じが全くない。メイキング映像のインタビューでも、興味があるものを聞くと、『お金かなぁ』と子供らしからぬ答えが返ってきたり。結局、彼のコメントは7割くらい使えなかった(笑)」
06年には実写映画『テニスの王子様』で主役の越前リョーマを演じた。アベユーイチ監督が明かす。
「3カ月間、テニスの特訓をしましたが、奏多君は運動神経が抜群。テニスのコーチも『彼は世界を狙えるぞ』と言っていました」
以降も『GANTZ』や『進撃の巨人』など多くの実写化作品に出演している。
「アニメに登場するキャラクターのような独特な孤立感、ナイーブさを彼は持っている。だからこそ作品に馴染むし、役になることができるのです」(同前)