昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

わずか1分で“あの銘菓”が10万箱も……?「日給数億円」が現実になる驚愕の中国ライブコマースの世界 中国人の“爆買い”はまだまだ終わらない?

2022/05/11

 北海道銘菓をむさぼりながら、中国語で「ウマいな」、「やっぱり違うな」などと雑談に興じる男女。YouTubeにもよくある「食べてみた」系のゆるいレビュー動画かと思いきや……突然男性が声を張り上げ「準備はいいですか? 3、2、1」とカウントダウンを始める――。

©iStock.com

◆ ◆ ◆

1分30秒でお菓子が10万箱!

 これは今年の1月19日、中国の大手ECサイト「Tモール」で生配信された“通販動画”だ。わずか1分30秒ほどのこの配信で、視聴者からは北海道銘菓が10万箱、実に1200万枚の注文が入った。金額にして約1億円の売り上げである。

北海道銘菓を宣伝する李佳琦氏。「口紅王子」の通称で人気

 この北海道銘菓は、コロナ禍以前から訪れる中国人にも定番の土産菓子で、知名度も高い。とはいえ「ただのお菓子」がこれほど瞬時に爆売れしてしまうとは、にわかには信じがたい。

5分間で口紅1万5000本を売り上げる「口紅王子」

 実は、動画に登場する販売士の男性がタダものではない。

 彼の名前は李佳琦(リ・ジャアチ・29歳)。微博(ウェイボー)に約3050万人のフォロワーを抱える超人気インフルエンサーで、ライブコマースの生配信動画で巨額の売上を連発しているKOL(キー・オピニオン・リーダー)だ。

わずか1分30秒の配信で売れたお菓子は10万箱。売り上げは1億円に上った

「オーマイガー」の決まり文句を連発しながら商品の魅力を早口でまくし立てる彼の配信では、1回当たり数億円を売り上げることも珍しくなく、5分間のライブ配信で口紅1万5000本を売り上げるという記録を打ち立てたことから、「口紅王子」の愛称で呼ばれている。