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 志村さんは、勘三郎さんが亡くなった3日後の2012年12月8日、この日に撮った写真をブログにアップし、次のように綴っていた。

〈談志師匠と勘三郎さんと銀座のバーで飲んだ時のものです 役者 芝居 演技 色々話しました 今では貴重な話 明日 いや今日 明日ばか殿本番収録です 楽しくやります 人が喜ぶ事を真剣に(略) 少し酔ってます この写真見て飲むと ついつい杯が進んで 今夜は星が綺麗でした 誰がどの星かな いずれ小さいけど星の仲間に入れるかな〉

 掲載された写真では志村さん、談志さん、勘三郎さんがそろって顔を赤らめて笑っている。志村さんには格別な味のお酒だった。

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志村さんが2012年12月に公式ブログで公開した銀座の夜の写真。左から、上島竜兵、中村勘三郎、立川談志、志村さん(同ブログより、2001年7月)

「あいつは大丈夫なのか? 幸せにやってるのか?」

 ここ数年、志村さんと会ったり、飲みに行く機会は減っていたが、志村さんは川上のことを心配していた。

「志村さんが亡くなる1、2週間前、主演予定の映画『キネマの神様』(山田洋次監督)の打ち合わせがあって、その後に何人かで飲む機会があったそうです。そこに、私と仲の良い山田監督の娘さんが同席されていて、その関係を知った志村さんが『あいつ(麻衣子)は大丈夫なのか? 幸せにやってるのか?』って心配してくれていたということでした。それを聞いた時は切なかったですね。

 みんなも同じだと思いますが、私は亡くなったことがまだ実感できていません。志村さんがコロナに感染した日からずっと時間が止まったままですね」

志村けんの木 ©文藝春秋

 数えきれない仕事で国民を笑顔にしてきた志村さん。今ごろは、偉大な星たちの仲間となって、またいつかみんなを笑わせてくれるにちがいない。