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プーチン大統領は知っている《対ロシア経済制裁が“無意味”なワケ》 砂糖争奪戦、物価上昇、海外ブランド閉店でも「大丈夫、何とかなるさ」

2022/04/06
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「マクドナルド閉店」へのロシア国民の“本音”

 3月に入ると外国企業の事業休止が相次ぎ、3日IKEA、9日スターバックス、14日マクドナルド、20日ユニクロと、ロシア人に愛されるブランドが次々と閉店した。

閉店したIKEA。中に従業員はいて、返品や交換などの対応を続けている(筆者撮影)

 なかでも話題となったのはマクドナルドである。1990年1月、プーシキン広場近くにオープンした1号店は、冷戦終焉の象徴的な存在だった。以降、多くのロシア人に親しまれ、全国847店にまで拡大していたが、3月14日をもって休業となった。

 閉店2日前に1号店を訪れてみたが、店内は大変な混雑ぶりで、友人たちとセルフィーを撮る光景があちらこちらで見られた。しかし、ひとつの時代が終わったと感傷的になっている人は少なく、「なくなったらなくなったで他の店に行くよ」とあっけらかんとした声が多かった。

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 というのも、KFCやバーガーキングは通常通り営業中だからだ。国内に1100店以上あるKFCは、70の直営店は閉店したものの、それ以外はロシア人オーナーのフランチャイズ店であり、契約上は営業を続けることができるのだという。バーガーキングも然りである。コカ・コーラもペプシも、いまだに販売されている。

高級デパートは9割の店舗がそのまま営業

 赤の広場に面する130年の伝統を誇るグム百貨店では、ルイ・ヴィトン、ディオール、ブルガリ、カルティエ、エルメス、グッチ、シャネルなどの高級ブランドが軒並み店を閉じ、何ともきらびやかなシャッター商店街が誕生している(実際はガラス張りだが)。

 一方で、業務停止を発表してから3、4週間が経つものの、ナイキ、ニューバランス、ギャップなどはまだ営業を続けている。店員に訊ねてみたが、閉店の具体的な時期についてはまだ何も情報がないという。