「僕、マックスで40キロ太りました。丸くなって性格も丸くなりました(笑)」

 笑顔で取材に応じるのは、D-BOYS、D☆DATEの元メンバーで、元俳優の五十嵐隼士さん(35)。『ウルトラマンメビウス』では主人公・ヒビノミライ役や、ドラマ『ROOKIES』の「ニャー」が口癖の湯舟哲郎役を演じ注目を集めた。『任侠ヘルパー』『泣かないと決めた日』など多くの人気ドラマに出演していたが、2013年に突然、芸能界を引退した。

TBSの人気ドラマだった『ROOKIES』。左から3人目が五十嵐さんが演じた湯舟 TBS公式HPより

 引退の理由を「エンターテイメント以外の仕事に興味をもった」「いつか社長になりたい」とファンや報道陣に説明し、話題を呼んだ五十嵐さん。引退から9年、一時は六本木でしゃぶしゃぶ店を経営していたが、現在は静岡県浜松市にあるバーで店長をつとめている。

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「文春オンライン」では120分に渡り、五十嵐さんを独占インタビュー。芸能界引退の内情やその後の軌跡、激太りの真相など、その胸の内を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む

『ウルトラマンメビウス』時代の五十嵐さん(左)と現在

「社長になって自分で稼いで、周囲に認めてもらいたい」

――2013年、突然芸能界を引退されました。何か理由があったんでしょうか?

五十嵐 芸能界にいると、まわりがチヤホヤしてくれることも多いんですが、やたらと役柄で見られる事が多くて。例えば僕で言えばウルトラマンだったり、ROOKIESだったり。でも「それって本当に俺なのか?」みたいなことを考えちゃったんです。「俺を好きでいてくれるんじゃなくて、役柄としてのフィルターで、好きになってくれているんじゃないのか?」って、ちょっと疑問に感じていた時期があったんです。今思うと若かったんですよね。

©️文藝春秋

 でも、夜に飲んだりして知り合う人たちっていうのは、役柄としてじゃなくて素の僕を好きでいてくれる。そのことに喜びを感じるようになってきていて……ちょうどそんな時に、そうやって知り合った人たちから「事業を始めないか」という話をいただいて。「社長になって自分で稼いで、周囲に認めてもらいたい」という気持ちが強くなって、芸能界を引退しようと決めたんです。