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 また、「役割押し付け」として、高校1年生のとき、テニス部員とともに、文化祭の企画委員となった。生徒企画のクラス代表にも推す声があり、担任が「押し付け」と問題視して注意をした。2年のときも文化祭で指揮者をしたが、クラスの中には「押し付け」と感じた生徒がいた。

授業中に、野球部の顧問があだ名を連呼

 また、教員からの「いじめに類する行為」として、「法による『いじめ』とは認定することはできないが、心理面で影響を与えストレス要因になったか」を基準とした。

 その上で、

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1)体育館で全校生徒がいる前で、名前を呼んだこと

2)部活顧問が名指しで雑用の押し付けをしたこと

3)テスト実施中に、部活の顧問が「ちゃんとやったんか」と話しかけたこと

4)教職員との間で、対応に困るようなことを繰り返したこと

5)授業中に、野球部の顧問があだ名を連呼したこと

 が該当するとした。教師の行為までも調査対象にしたのは異例だ。

直感で「いじめではないか」と思った

 海都さんの自殺に関して再調査が行われたのは、遺族が県教委の調査に不信感を持ったためだ。

 遺族によると、2015年、海都さんは1年生でテニス部に入った。しかし、2年生になると、野球部の人員不足のため、助っ人として練習する。7月25日には終日練習に参加したが、「野球に行きたくない」と言っていた。これが最後の練習となった。26日は、海都さんと母親、担任の三者面談をすることになっていたが、未明に亡くなった。

「学校で何があったのかわからないので、通夜や葬儀には、担任以外の学校関係者はお断りしました。ただ、この時点では、いじめとは思っていませんでした」(同前)

 野球部の練習で疲れていた可能性もあるが、遺族は「もしかしたら、学校で何かあったのではないか。いじめではないか」と直感で思った。そのため、8月12日、いじめ防止対策推進法による調査を要望した。県教委は、常設されている「県いじめ問題調査委員会」に「調査部会」を作った。「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針」に基づくものだ。