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23歳の時にすでに見えていた俳優としての未来

 今から18年前の2004年、彼女が出演した演劇界の異才・松尾スズキによる舞台『ドライブイン カリフォルニア』。キャストを変え、今年5月から再々演される名作だが、初演当時の2人の対談インタビューを週刊SPA!で書いたことがある。

松尾スズキさん ©文藝春秋

 改めて記事を振り返ってみると、彼女は当時まだ23歳であるにも関わらず、18歳年上の41歳(当時)の松尾と丁々発止のやりとりで互角に渡り合っていた。松尾は小池について「舞台に立つことに差し障りのない人」とすでにその才能を見抜き、小池は「今回の舞台で新しい自分が見つかる予感はあります」と未来への希望を語っていた。彼女はそれより前に舞台デビューをしていたが、おそらく松尾との出会いの中で芝居の面白さ・奥深さを経験し、もともと持っていた芝居への興味をより一層深めていったに違いない。

 その言葉通り、彼女は俳優として目覚ましい活躍を遂げる。ドラマでは『大奥~華の乱~』(2005年)『マッサン』(2015年)、映画では『接吻』(2008年)『八日目の蝉』(2011年)などでさまざまな賞を受賞。前出の『あさイチ~』では三谷幸喜監督・脚本作品である映画『記憶にございません!』(2019年)で共演経験のある俳優・中井貴一も、俳優としての彼女について「ポテンシャルが高い」「すごい才能」と絶賛していた。

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映画『記憶にございません!』(2019年)東映公式サイトより

 そう考えると、彼女は最初から俳優という未来を見据えていたのかもしれない。私たちが気づくよりもはるか前に「俳優・小池栄子」は始まっていたのだ。

これからも輝き続ける彼女の“瞳”

 歴史的に、政子は頼朝や義時よりも生きながらえ、最終的には「尼将軍」として君臨し、政治的手腕をふるうことになる。ドラマでもこれから先、ただでさえ鋭い彼女の瞳がさらに輝きと威厳を増していき、私たちの心を射抜くことだろう。

 私も初めはバラエティ番組で見るどこまでも明るい彼女と政子はイメージが異なる印象を持っていたが、彼女自身のキャリアを考えれば、今やこれ以上ない適役と思える。俳優として進み続ける彼女の瞳の輝きは、まさに政子のこれまでの歩みにも通じるからだ。

 目は口ほどにモノを言う。俳優・小池栄子から目をそらすことはもはや出来ない。