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『カムカム』“キレの良い店”の森岡役・おいでやす小田が告白 「ツッコミはオダギリさんとのアドリブです」

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「一瞬ちょっとセリフ飛びました」

――るい(深津絵里)がラジオから流れる南こうせつさんの「夢一夜」を口ずさみながら回転焼きを焼いて、隣で森岡さんが「奥さん上手いなあ」と聴き惚れるシーンも素敵でした。

 あのシーンは、僕が先にスタンバイをしていたんですね。「リハーサルいきます」って掛け声がかかってから、深津さんがセットの中から回転焼きの店先にぽんと出てこられて。その時に初めてベリーショートに髪を切った深津さんを見たんです。まじでかっこよすぎて! 一瞬ちょっとセリフ飛びました。かわいいとかキレイとかを超えて、「この人かっこええな」って思いました。息を呑みましたね。

――森岡新平さんとしても質問させてください。回転焼きを買いに「大月」に行って「ご主人かいな。出直そ」と言っていたことがありました。森岡さんはなぜあんなにジョーに厳しかったのですか?

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 多分、昭和の京都人らしい行動やと思うんです。るいさんにも直接言ったことがあるんですけど、「奥さんばっかり働かしたら旦那あかんで」って近所の商店街の人たちみんなで言うてたんですね。ジョーさんは、人柄は悪くないけれども得体はしれへん存在やった。今やったら全然いいんですけど、男性が働かないというのは変な目で見られてた時代の話やったんで。

 森岡は「死んでも配達はやめへんで」っていうくらい仕事一筋。あの頃の昭和の時代に商店街で旦那さんが何もしてへんかったら、厳しいことを言うんかなって思います。大月さんは道を挟んで隣に住んでるご近所さん。森岡は独り身やし、ずーっと見守ってきたから、るいさんや子どもたちのことが心配になってるんですね。途中からはジョーに対しても優しくなっていきました。

――だからこそ、ジョーがトミー(早乙女太一)のバンドに入って音楽活動を再開したのは嬉しかった?

 それはそうでしょうね。僕、自分が出てるとか関係なく、このドラマが本当に大好きなんですよ。だから、森岡としてじゃなくて僕の感情としても「うわー! ジョーが!」って感動しましたね。

 周りの「カムカム」好きな芸人ともいつも話をしていますね。この間は岡山編に出ていたザ・プラン9の浅越ゴエさん(「水田屋とうふ」の店主・水田卯平役)と「終わったらカムカムロスになりますね。かなわんなあ」って話しました。

 一番ハマってるのは、ミキの昴生。あいつが「カムカム」の話をするときのテンションったらすごいですよ(笑)。ほんまに好きなんで「ネタバレ絶対するなよ!」って言いながら、むちゃくちゃ今後のストーリー展開の予想を話してくるんです。大阪編の放送中でるいとジョーがくっつくんかまだ視聴者は分からないときに、「こないだオダギリさんと話したら……」って言ってしまったことがあったんです。そしたら「(京都編に)オダギリさんがおるってことは、お前―! ネタバレすんな言うたやろ!」って(笑)。「ジョー、そんな重要な役じゃないから」とか、とっさにめちゃくちゃ嘘言うてごまかしましたよ。気ぃ遣うん大変すよ。

『カムカム』“キレの良い店”の森岡役・おいでやす小田が告白 「ツッコミはオダギリさんとのアドリブです」

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