4月8日(金)に最終回を迎えるNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。京都編で大月一家が暮らすあかね通り商店街に店を構える森岡酒店の店主・森岡新平を演じたおいでやす小田(43)が「週刊文春」の取材に応じ、初の朝ドラ出演の反響や撮影の舞台裏、作品への思いを明かした(全2回の2回目、前編を読む)。

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おいでやす小田が“本当にシビれた”シーン

 おいでやす小田は1978年7月25日生まれ、京都府京都市出身。2001年からコンビで漫才をはじめ、2008年以降はピン芸人として活動。2016年から5年連続で「R-1ぐらんぷり」(現・R-1グランプリ)決勝の舞台に立つ。2020年の「M-1グランプリ」ではピン芸人のこがけんと「おいでやすこが」を組み、ユニットとして大会史上初の決勝戦に進出し準優勝する。2017年、京都府文化観光観光大使に就任。

NHK公式インスタグラムより

――特に好きなシーンはありますか?

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 何個もあります。何回も泣いたしなあ……。でも、ジョーがトランペット吹けなくなったところはすごかったですね。ジョーが「僕とおったらあかん。不幸にしたくない」って言ったときのるいの、「何が私の幸せか、勝手に決めんといて」ってセリフが本当にシビれました(58話)。

 あの大人しいるいが「勝手に決めないでください」じゃなくて「勝手に決めんといて」って強気で言う。例えばるいの初デート相手の片桐くん(風間俊介)とかには絶対見せない顔やなあって。相手がジョーやったからあそこまで感情が溢れ出たっていうのが、すごいなあと思いましたね。

――撮影の中で大変だったことはありましたか?

 全部大変でした。僕みたいな畑違いな人間が、皆さんのようなことは絶対にできないんで。もう開き直って、自分のできることをやるだけやなと思ってました。でも、皆さんほんまに優しかったので、撮影現場は楽しかったです。

 今でも自分の登場シーンは、ほんまに鮮明に覚えてますね。特に初登場は何回も観てます。森岡が酒瓶を運んでいるところにジョーから「大月」のチラシを渡されて、「見りゃ分かるやろ、おっちゃん両手ふさがってんねや」って言う。実際の撮影もこのシーンが初日だったんですけど、「ほんまにこんなんでいいんかな?」って探り探りでした。

――ひなたの妄想で「おしん」のようにひなたが台車に乗せられて売りに出される……というシーンにも出ていたとか。

 そうです(笑)。実は、ひなたが乗っている台車を引っ張ってるのは僕なんです。下着まで衣装変えて、メイクして、「もう一回引っ張ってみましょう!」って何度か練習して……。全部で1時間半くらいかかってるんですけど、放送ではほとんどカットで、後ろ姿しか映ってませんでした(笑)。絶対僕ってわかんないすよね。

――劇場やテレビのバラエティ番組に出ながら、ドラマの撮影にも臨まれて。何度も大声を出すことになったと思いますが、喉の調子はどうでしたか?

 昔はネタのあとに声がかれることもあったんですけど、今はどんだけ大声出しても全く喉潰れないんですよ。鍛えられたんですかね? けど、M-1で準優勝してテレビにぶわーっと出始めて、朝から晩まで働いてた時にちょっと喉が調子悪くなったことがありました。でも、のど飴1個舐めたら一瞬で治りましたね。封開けたのど飴を半年くらいほったらかして、カピカピになりました。