「カムカム」の100年の物語をみてると、バッドエンドなんかないんやなって
――これからも役者業は続けていきますか?
ずっと演技のお仕事はやりたいなと思っていたんです。なので、オファーをいただければまた挑戦したい。以前、映画「彼女がその名を知らない鳥たち」(2017年公開)に出た時も楽しいなって。出演時間は5秒でしたけどね。演技に自信あるとか、出来るとかはもちろん思っていないですよ。でも今回も、「OKです」と言われたら嬉しかった。いつか、むちゃくちゃシリアスな作品をやってみたいです。むちゃくちゃおとなしい役も。大声言うてる僕じゃないやつ(笑)。
――クランクアップではどんな挨拶を?
クランクアップなんか慣れてないんで、グダグダでしたよ。どんな尺でしゃべったらいいかも分からないんで、ずっとしゃべってたらみんなが静まりかえっちゃって。ほんで、助監督の方が慌てて「ちょっとまとめをお願いしますー!」って言ったら大爆笑。「はよ叫べ!」と思われてたんやろなあ。でも僕、もちろん普段は叫んだりしないんで(笑)。特に朝ドラの現場なんかそらもう大人しいもんですよ。
――「カムカム」への思いや、視聴者の方へのメッセージを聞かせてください。
やっぱり良くも悪くも人生は続くんだなと。もちろん良いことばかりは続かないですけど、「カムカム」の100年の物語をみてると、バッドエンドなんかないんやなって思います。
例えば岡山編でるいが安子に「I hate you.」って言ったシーンとか、切るとこによっては最悪かもしれんけど、全部飲み込んで日々生きていったらいつかはひなたの道になる。そういうメッセージがこのドラマにはあるんやと思います。ほんまずっと「カムカムの登場人物みんな幸せになってくれ」って願ってますね。観てる方にも、自分を重ね合わせて元気になってほしいです。
――小田さんも自分に重ね合わせたんですか?
僕なんか、芸人なってほんまに良いことなかったんですよ、ずっと。けどやっぱり今まで続けて良かったなと思うんで。R-1で優勝して売れるために毎日毎日ネタやって、突然出場資格が「芸歴10年以内」に変わって、その時僕は芸歴20年、ピンになってからも12年経ってて、もうどうしたって出られへん。これだけ聞いとったら100パー悪いことなんすけど、それがどう転じるかはもう自分次第なんやと思います。
こがけんとユニット組んでM-1出て、ネタのつかみで「寝て起きたら漫才しか残ってませんでした」って言ったんです。ほんまその通りで、その時気持ちとしてはどん底なわけですよ(笑)。でも、全部笑いにできましたから。