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シュールすぎた、マイケル・ジャクソンの登場
経済危機、IMFの介入という国難のさなかに行われた98年2月の就任式に登場したのは、なんと、世界のスーパースター、マイケル・ジャクソンだった。
当時の写真を見ると、赤いジャケットに黒いフェドーラ帽、黒いサングラスをかけたマイケル・ジャクソンが来賓席に座っている姿はとてもシュール。「あの違和感は今でも記憶に残っている」と50代の知り合いは言う。
世界のスーパースターと金大中大統領の縁は、韓国の「茂朱リゾート」に始まった。
当時、不渡りを出した「茂朱リゾート」の遊園地の存続危機を知ったマイケル・ジャクソンが投資のために来韓。「愛と平和」を謳っていたマイケル・ジャクソンはかねてから平和のために尽力していた金大中大統領のことを心に留めており、面会を求め、大統領選挙の直前にふたりは会った。この時、大統領に当選した際は就任式に必ず参席すると約束。それが実現した。
親友の女優エリザベス・テイラーと参席する予定だったが、エリザベス・テイラーが闘病中だったため一人で来韓したと伝えられている。ちなみに、マイケル・ジャクソンはジョージ・H・W・ブッシュ米大統領の就任式のオファーは断っていたという。
金大中大統領は、自身がファンだった、当時韓国で人気を誇っていた「ソテジ」も招待したが断られている。「ソテジ」は、「ソテジワアイドル」として1992年にデビューし、メッセージ性の強い、それまでにない楽曲でたちまち人気スターとなり、韓国の音楽シーンを変えたアーティストとして知られる。就任式に一般の国民が参加するスタイルになったのも金大中大統領からだった。