過去には「江南スタイル」PSYや、キム・ヨナも
続く盧武鉉大統領の就任式の際には、当時人気絶頂だったポップオペラ歌手や、SM所属のアイドルグループ「god」が公演を行った。この就任式にはNiziUのプロデューサー、パク・ジニョン氏や韓国で人気の「ユンドヒョンバンド」も出演する予定だった。しかし、就任式1週間前に大邱で343名の死傷者を出した「地下鉄放火事件」が起こり、哀悼の意味から華やかなパフォーマンスは自粛されたという。
李明博大統領の就任式には、当時人気だったアイドルグループ「SS501」やフィギュアの女王キム・ヨナなども参席し話題を集めた。
そして、朴槿恵大統領の時には、2012年に『江南スタイル』で米ビルボードのメインチャートHOT100で2位となった「PSY（サイ）」が公演を行い、就任式を盛り上げた。続く文在寅大統領は弾劾・訴追後に行われた大統領選挙だったため、就任式は略式化されており、今回、尹錫悦次期大統領就任式は正式な大統領の就任式としては9年ぶりとなる。
前出の記者は言う。
「過去の例を見ても、グローバルスターであるBTSに公演依頼をするのは自然な流れで、なんら不思議でもありません。しかし、これだけ反対の声が挙がってしまうと、事務所側はどう対応するのか。ファンの声を傾聴するのがBTSであり、HYBEですから。ただオファーがあってそれを断るとなると事務所側には相当な負担になるでしょうね」
文政権時、BTSは大統領府のオファーを受けている。2021年9月、BTSは国連から招請を受け、国連のイベント「SDGs（持続可能な開発目標）モーメント」で演説と公演を行った。この時、韓国政府は、BTSを「未来世代と文化のための大統領特別使節」に任命した。
特別使節という事情もあったのか、米国では国連総会へ参席するために訪米した文在寅大統領と米メディアのインタビューに臨み、文大統領夫人のメトロポリタン美術館訪問も共にしていた。韓国内では「韓国政府がBTSを政治的に利用している」という批判の声が挙がった。
あるエンターテインメント事務所の関係者は、メディアのインタビューで政府との狭間での苦しい立場を明かしている。
