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――本当に色々手を尽くされたんですね。そして今年の3月、ついにラスト1つまでこぎつけたと。

秋葉 そうなんです。最後に残ったのは1986年4月6日放送分の3話目、作品No.2560のサブタイトルでした。藁にもすがる思いでツイッターで情報を求めたら3000近くリツイートされ、想像以上の反響に驚いていたら10日後に、アニメーション史を研究されている方から連絡が来たんです! タイトル画像を見せてもらって最後の1個が「おしゃれいろいろ」というタイトルだと判明、ついにコンプリートできました。

――5年間の苦労が報われた瞬間はどんな気持ちになりましたか?

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秋葉 「うわあ、埋まった!」と達成感でいっぱいで、ちょっと涙が出ました(笑)。でも自分ひとりでは決してできなかったことなので、助けてくれた方たちのことも頭に浮かびました。最後の「おしゃれいろいろ」を教えていただいた方は「アニメージュ」のリストを作っていた方で、最初から最後までお世話になりっぱなしでしたね。

フジテレビ公式ツイッターより

「お金を払うので、録画して送ってくれないでしょうか」

――8000以上のタイトルの中で、秋葉さんのお気に入りのサブタイトルはありますか?

秋葉 1971年放送の「お舟百まで 波平九十九まで」というのは面白いですよね。「お前百までわしゃ九十九まで」という都々逸をモチーフにしたものなのですが、夫婦愛を感じます。エピソードの内容もフネと波平の愛の軌跡が描かれていて、とてもいいんです。

――放送開始3年目ですね。秋葉さんもリアルタイムではご覧になっていないのでは?

秋葉 実はこの放送回はエピソードがあるんです。私が学生だった1985年頃に山梨県で「サザエさん」の再放送が数年遅れて流れていたことがあって、私はその録画が欲しくて「お金を払うので、番組を録画して送ってくれないでしょうか」と山梨の電気屋さんに電話をかけまくったんです。最初の2軒は不審がられて断られたんですけど、3軒目で「変なことを言うね。でもわかった、送ってあげるよ」と送ってくれたんです。