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「青春は恋と革命だ!!」SEALDsに見た希望
6月半ば、私は一人で東京へ出かけ、車椅子で議事堂前のデモの人たちの背後にたどりつき、声をあげた。去年から、1年余りも大病をして寝こんでいたので、脚腰が弱って立てなくなっていた。こんな時、止めても聞かない日頃の私を識っているので、スタッフは止めないし、スタッフからそれを聞いた親しい人も、「死ぬ覚悟ですか、骨は拾ってあげます、しっかり!」と言う。
さて、出かけて見て愕いた。私の予想に反して、若い人達がびっしりいて、私の短い話に両手をあげて賛同してくれ、若い女の子たちは、私が引揚げる車椅子に向って、黄色い声をあげ、全身で別れを惜しんでくれるのであった。気をつけて見れば、およそ政治に無関心だと思っていた若い人達がしっかり立ち上っていた。
「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動)という若い人達の集りがあり、自由と民主主義のための緊急行動をするという。東京でも関西でも彼等は元気よく集って行動を起こしている。
私は全治していないのに無理ばかりするので、腰が曲ってしまって、また歩けなくなった。
デモに出かけられずいらいらしていたら、東京の編集者が電話をくれて、言う。
「今日ね、デモに行ったら、若い人たちの集りの中で一人が大声で『瀬戸内寂聴曰く、青春は恋と革命だ!! おれたちもやろう、恋と革命だ!!』って。お知らせです」
私は若い彼等のために思わず両手をあげてつぶやいていた。
「日本の希望の星よ、光よ、ありがとう」。