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盛り上がらなかった!? イタリアン

 フレンチの中の今年のトレンドは北欧系でしょう。西麻布「クローニー」の春田理宏シェフはデンマークやノルウェーで最先端のガストロノミーを学んできていますし、新橋から麻布十番に移転した「スブリム」もそう。

 フレンチ界に北欧の風が吹いている理由は、おそらく3年連続世界No.1レストランに輝いたデンマークの名店「ノーマ」のブームがあって、そこに目を向けた人たちが修業に行って帰ってきたタイミングが重なったからかなと。だから今、フレンチ界は玄人好みのフュージョン系のお店や、カジュアルなお店、早熟な奇才シェフがいたり、北欧テイスト取り込み系が増えたりと非常にバラエティに富んでいるんです。

 いっぽう、エリアで切るとなんといっても浅草観音裏ですね。私が今年一番騒いでいたエリア(笑)。ペタンクもそうだし、新店では「ルディック」、「しみいる」なども出来て、この1年でフレンチ圏として完成した感がありますね。フレンチ以外でも焼鳥の「トリビアン」も元気だし、タイ料理の「ソンポーン」も近所に移転して店舗を拡大しましたよね。席が以前の5倍になって賑わっています。あと深夜営業の餃子バー「GYOZA BAR  けいすけ」も人気です。

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浅草観音裏らしいフレンチ「しみいる」

編集部 イタリアンはどうでしたか?

小石原 フレンチほどは盛り上がっていなかったと思います。新店で話題になったのは広尾の「ボッテガ (BOTTEGA)」でしょうか。カウンターがあって、アラカルトで頼めて、夜遅くまで営業しているというイタリアンって最近、あんまりなかったから、久々にすごく東京らしい店が出てたという感じですよね。

東京らしいイタリアン「ボッテガ」

 個人的には三田の「オステリア ラディーチ (OSTERIA RADICI)」を推しています。ボッカローネ系というか、昔でいうところの“ボナセーラ系”というか。男っぽいイタリアンで、すごくいいですよ。立地が田町と三田の間っていう微妙な辺鄙さも含めて、とてもいいです。(笑)。

男っぽいイタリアンの「オステリア ラディーチ」

 日本人が好きなイタリアンって、手を加えすぎぎていないスタンダードな料理なのかなという気がします。人気が衰えない、青山の「トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ」や高輪「ロッツォシチリア (ROZZO SICILIA)」もそうだし、代官山の居酒屋っぽい気軽な雰囲気の「ファロ(falo)」も人気ですね。スタイリッシュなイタリアンで評判なのは、代官山の「タクボ(TACUBO )」くらいじゃないでしょうか。あとは、いま休業中ですが、肉という切り札で勝負に出てきた赤坂の「ヴァッカロッサ (VACCA ROSSA)」とかかな。

老舗の風格「トラットリア ドンチッチョ」