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「あなたたちのやっていることは虐待ですよ」と言ったことも

「報告書」によると、トモコさんの自殺を受けて、校長が市教委にいじめと不登校との関連について報告したところ、市教委が調査を学校に指示した。ただ、その日時も、保護者が市教委に調査を申し出た日時もマスキング(黒塗り)されている。

いじめの詳細は黒塗りだった報告書

「11月2日にトモコの死亡が確認されました。私から学校に連絡はしていませんが、夜8時ごろ、校長から連絡があったとき、亡くなったことを伝えています。『通夜や葬儀に参列させてください』と言われましたが、学校への不信感があったので、断りました。『あなたたちのやっていることは虐待ですよ』と言ったこともあったんです」

部活動中に倒れたトモコさんは「この学校の大人は怖い」

 母親が虐待だと思うほどの不信感を抱く対応とはなんだったのか――。2018年7月、トモコさんは部活動中に引き付けを起こし倒れた。母親は連絡を受け、学校へ向かった。約45分後に到着したが、口の端に泡を確認した。説明を受けている中、リンパ部を水袋で冷やしていた。4~5人の教師はうちわで仰いでいた。

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「先生が『熱中症かな?』と言っていました。救急車を呼んだかを確認すると、『呼びます?』と言い、呼ぶ気配はなかったので、自分で病院に連れて行きました。トモコはこのときから『この学校の大人は怖い』と言うようになりました。学校は、子どもを守る意識が低すぎる。トモコは、先生に見捨てられている感覚があったと思います」

 いじめには、具体的にどんなものがあったのか。調査委(いじめ防止等対策推進委員会)は4件のいじめと、不登校の因果関係は認めた。しかし、公表版の報告書では、いじめの詳細は明らかになっていない。母親によると、主に部活動内での出来事であり、「死ね」や「うざい」と言われることがあったという。

「いじめと認められたものは、長年にあった行為のうち、ごく一部だけでした。小学生の頃から、日常会話の中で、『死んでこい』『うざい』などと言われていました。ずっと嫌がっていました。言葉の表現が苦手で、言葉にできない辛さを抱え込んでいたために、通院していた医師に正しく理解されないこともありました」