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母親が知っていた「バレー部での嫌がらせ」

 母親が知っているエピソードとしてはどんなものがあるのか。トモコさんは途中からバレー部に入った。3年生が引退した後の新チームになった後のことだ。

「1年生の秋、家族の用事で部活を休むようトモコにお願いしたんです。『お休みしてくれる? 一緒に行こう』と。トモコは休部を伝えた数日後、同級生から呼び出されました。練習試合があったのですが、『お母さんが休めと言ったからって、なんで休むん?』などと同級生に言われたんです。トモコはつい、『どうせ負けるし』と言ったようです。『やる気がないんやったら、やめてまえ』と言われ、泣いてしまったんです」

 この件では仲直りしたはずだが、後日、練習試合の場所、時間、弁当の有無などの連絡が前日の夜になっても届かないでいた。この時は母親が教頭に連絡し、やっと連絡が入った。しかし、練習試合中にも嫌がらせを受けていた。

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「点数係をしていたら、『休んだのにわかるん?』と言われたり、荷物を多く持たされたりしました。悪意があったので教頭に連絡すると、顧問から連絡があり、『仲良くやっているように見えます』と言っていただけでした」

「まずは事実を調査してもらうこと」と言われ、調査委員会設置を依頼

 母親が市教委に対し、何があったのか事実を明らかにしてほしいと伝えた。

 報告書通りであれば、市教委はトモコさんが自殺を図った後、学校に初期調査を指示している。母親は「トモコに対する『いじめに関するアンケート調査』をしたかどうかは聞いていません」と話す。また、市教委は、中学校に対して、いじめと不登校をめぐる状況について調査し、報告書をまとめるよう指示をした。その後、11月27日、母親は市教委に電話し、調査委の設置をお願いした。

「娘が亡くなってから四十九日の段取りを決める頃まで、何も考えることができませんでした。11月20日あたりから考えるようになりました。学校や市教委からは説明はありませんでした。そのため、法テラスに相談し、11月27日に大阪弁護士会に相談しました。『まずは事実を調査してもらうこと』と言われました。どうやったら調査委を立ち上げることができるのかと聞くと、電話でもかまわないとのことでした」