文春オンライン

受信料合憲判決 「みなさまのNHK」を各紙はどう報じたか?

読み比べて見えてきた「知る権利」の使い方

2017/12/15

NHKが受信料をもらう大義名分

 そもそもなんで受信料が必要なのか。

《NHKは受信料の意義を「特定の利益や視聴率に左右されず、公平公正・不偏不党の役割を果たせる」と説明しており、これを最高裁も追認した形だ。》(毎日新聞12月7日)

《特定の個人や団体、国からの影響を受けにくくするため、NHKは税金でもなく、広告料でもない受信料で収入の大半をまかなっている。》(東京新聞 12月7日)

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《今回の裁判でNHK側は「時の政府や政権におもねることなく不偏不党を貫き、視聴率にとらわれない放送をするには、安定財源を確保する受信料制度が不可欠だ」と主張した。》(社説・朝日新聞 12月7日)

 NHK、素晴らしい。頑張ってる。

判決が出た翌日の12月7日朝刊各紙

 ということは誰かに遠慮したりおもねった瞬間、NHKが受信料をもらう大義名分は消えるということになる。

 こんな記述もある。

《ただ、最高裁は、NHKに対し、一方的に支払いを迫るだけでなく、目的や業務内容を説明して理解を求め、合意を得られるよう努力をすることが望ましいとした。》(朝日新聞 12月7日)

 つまりこういうことだ。

《逆に言えば、受信料を支払う人たちは、NHKに「知る権利」に応えるよう求める権利がある。》(朝日新聞・同)

 あれ? 今回の判決ってむしろNHKにプレッシャーを与えたのではないか? 私が「面白くなってきた」と感じたのはそういう理由である。