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受信料合憲判決 「みなさまのNHK」を各紙はどう報じたか?

読み比べて見えてきた「知る権利」の使い方

2017/12/15
note

受信料を払っている人たちには「知る権利」がある

 実際、NHKについて知りたいことはたくさんある。

《前川喜平・前文部科学事務次官が「最初にインタビューされたのはNHKだが、放送されない」と明かし、政権への配慮があったのではないかと指摘された。》(毎日新聞 12月7日)

前川喜平・前文部科学事務次官 ©三宅史郎/文藝春秋

 加計学園問題で、NHKが前川氏の独占インタビューをなぜかお蔵入りさせたという噂は当初からあった。前川氏も公言している。ずっと不思議だったがどういう理由でお蔵入りになったのか、受信料を払っている人たちは「知る権利」があるというのである。素晴らしいではないか、受信料システム。

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NHKに関して知りたいことはたくさんある

 今回、裁判でNHKと争った男性は何と主張しているのか。

《今回の裁判は2006年にテレビを設置した後、「偏った放送内容に不満がある」と受信契約を拒んでいた東京都内の60代男性を相手取り、NHKが契約締結や未払い分の支払いを求めて11年に提訴。》(毎日新聞 12月6日)

 男性は「偏った放送内容に不満がある」と主張したらしい。

籾井勝人氏 ©山元茂樹/文藝春秋

 男性が訴えられた3年後にこんなことがあった。NHKの会長に就任した籾井勝人氏が「政府が『右』と言うものを『左』と言うわけにはいかない。政府と懸け離れたものであってはならない」と発言したのだ(2014年1月25日)。そう考えると男性の主張は無茶苦茶とは思えない。むしろ共感する人は多いのではないか。

 NHKに関して知りたいことはたくさんある。のど自慢に出てる人たちは受信料を払っているのか。オヤジジャーナルが書き立てるように紅白歌合戦の出場には何らかの「枠」が存在するのか?

 みんなで受信料を払って、NHKに知る権利を行使しませんか。

受信料合憲判決 「みなさまのNHK」を各紙はどう報じたか?

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