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答えは自分にしか出せないものだ

「続けるべきでしょうか」なんて、人には相談しないよ。

 なぜかって? みんな自分のことで精いっぱいなんだ。他人のことはわからない。一般的な常識の範囲内で、みんなそうしているからということで話は終わってしまう。

 自分がどういう人間なのか、何が好きで、どういう性格なのか。自分の本質を理解して、備わっているものを自覚すれば、自分の才能は感じられる。自分自身に問うてみることが必要なんだ。

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 どんな偉い人に聞いても答えは出ない。自分自身に相談する……。「お前は本当に、この仕事を一生やるんだな。どうなんだ」と。

 そうすると、やれないときは自然と「やれない」という答えが出てくる。

 答えが出なかったら?

 それは、表層の自分に聞いているのかもしれない。

 いつもは表層の自分で生きていても、たとえば、夜、寝る前なんかに、本当の自分が出てくるときがある。それが中心の自分だ。普段は奥深くにいる、そいつに聞いてみるんだ。「本当にこれでいいのか」と。

 迷ったときは、自分自身の内側に聞いてみる。答えは自分にしか出せないものだ。

 たとえば、情というのは、僕のもって生まれたものだからね。父親も母親も、情にもろいところがある。そういう資質はもう変えられない。

 だから、警察は無理だと自然とわかったんだ。

若本規夫のすべらない話

若本 規夫

主婦の友社

2022年3月25日 発売