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酒に酔った米兵を機動隊が取り押さえ…横柄だった男が「一気に酔いが覚めた」理由とは

2022/04/17

 日本国内で発生した事件の犯人を逮捕したにもかかわらず、警察が捜査できないケースがある。犯人が在日米軍か米軍関係者の場合だ。

 在日米軍による事件と聞くと、沖縄を思い出す人が多いだろう。だが全国には131カ所の米軍基地がある。神奈川県にはキャンプ座間、厚木海軍飛行場、横須賀海軍施設などがあり、東京都内にも合計7つの米軍基地がある。都心の港区にも、赤坂プレスセンターとニュー山王ホテルとして知られるニューサンノー米軍センターがあり、多摩地域には在日米軍司令部が置かれている横田飛行場がある。

米兵たちが六本木のディスコで喧嘩、強盗、強姦未遂

 基地があれば事件を起こす者もいる。警察官に捕まる者も出てくる。

「麻布署では腐るほど扱いました」

 都内における米軍兵士の逮捕は、多くても年に数十件程度かと想像していたが、“腐るほど”という元刑事Aの言葉に驚かされた。

 彼が長く勤務していた麻布署は六本木に位置し、外国人が多いことで知られる街だ。夜になるとバーやクラブに多くの外国人客が集まってくるのは、今も昔も同じである。その六本木ではディスコ全盛期、多くの米軍兵士が逮捕されていたという。

©iStock.com

「第7艦隊が横須賀に寄港した際などは、米兵たちが六本木のディスコに繰り出し、喧嘩、強盗、強姦未遂となんでもやりました。身体が大きくて暴れ回るので、駐日ロシア大使館の警備帰りの機動隊に取り押さえてもらったりしました」(元刑事A)

引渡しの時に起こった、戦争映画のワンシーンのような一幕

 第7艦隊は米国海軍に7つある艦隊の1つで、横須賀基地を事実上の母港としている。駐日ロシア大使館は港区麻布台にあり、六本木は目と鼻の先。酒を飲んで暴れる屈強な米兵らを逮捕するには、機動隊の力を借りなければならないほど容易ではなかったのだ。

 だが苦労して逮捕・拘束しても、それが在日米軍であった場合、日本の警察は必ず米軍側に通報しなければならないという決まりがある。日米地位協定だ。警察にとっては面倒な規定だろうが、元刑事Aも即座に米軍に通報した。

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